1. 難病情報誌 アンビシャス 277号

難病情報誌 アンビシャス 277号

最終更新日:2025年06月02日

表紙は語る

病名がわかってホッとした気持ちになりました。

宮城 ゆかり(みやぎ ゆかり)さん
HTLV-1 関連脊髄症

 「HTLV-1」と言う言葉を最初に聞いたのは、30年も前の長女を妊娠して産婦人科で血液検査をした時の事。私がHTLV-1というヒトT細胞白血病ウイルスのキャリアであり、HTLV-1は、将来ATLという白血病になる可能性があること…それが母乳で子供に感染するかも知れないと言う事…。それだけ聞くと怖いけど「白血病になる可能性は5%程度で、キャリアの人は九州沖縄に多く居て、その感染を心配して赤ちゃんに母乳を飲ませないより、母乳の栄養分を与える利点のほうが大きいよ」と。そのような事をナースさんから聞かされた。(当時はHTLV-1関連脊髄症(HAM)の事は、全く聞かされなかった。)
 実は、私だけでなく姉2人も産婦人科で同じような事を言われている。姉達も妊娠時にHTLV-1陽性だと診断されていた。長女姉さんは、上2人の子は里帰り出産をし、病院側から私と同じく心配ないというような事を言われ母乳をあげていたが、3番目の子は本土での出産を決め、産婦人科での血液検査でHTLV-1陽性と出たのでお産を断られ、別の病院で通院し出産する事は出来たけれど「母乳はダメ」と言われ、他のお母さん達が母乳をあげる中、ひとり粉ミルクを飲ませたらしく「それが辛かった」と話していた。(現在は、HTLV-1の母乳による感染を根絶させる為それが常識になっているらしい。)
 私たち姉妹が、母乳で育てた子供たち…まだ全員は、血液検査する機会もなく何ら気にする事なくこれまできたけれど、私が5%の確率でかかる白血病ATLよりも低い確率の0.3%でかかるHTLV-1関連脊髄症(HAM)を発症したので急に姉達も私も心配しているが、結婚や出産をした子達には、キャリアは出ておらずホッとしている。ちなみに私たち4姉妹の1番下の妹も健康診断の血液検査でHTLV-1陽性と診断されている。皆、母からの母乳感染なのだろう。
 私は、高校時代から腰椎椎間板ヘルニアを患っていて、痛みでいうと当時の方がはるかに辛く、今はだいぶ緩和されているが、ずっと悩みの種だった。そんな中、腰痛と共に悩みになってきたのが、転倒することだった。色んな場所で派手に転んだり、地味に転んだり…見られたり見られてなくてホッとしたり…その頻度が、少しずつ増えていった。病院で相談しても「おっちょこちょいなんじゃない?」と笑われた事もあった。別の病院では、レントゲンを撮ったものの「問題ない」と言われ、たぶん私が不服そうな顔をしたのだろう。「MRIを撮りたいなら撮ってもいいけど」と、何も問題ないだろうけどとでも言いたげな顔で言われ「じゃあいいです」と断った。
 令和2年に入社した職場は、介護病棟で、用務スタッフとしてやりがいを感じて働いていた。身体の調子の良い状態で入社したものの日が過ぎるごとに脚が思うように動かなくなっていき、仕事中に転倒する事も増えていった。あるときは、あと一仕事で退勤という時間帯にホールでテレビを観ているお爺ちゃんの真後ろで転んだ。派手に転んだがお爺ちゃんは、耳が遠く全く気付いていなかった。でも私のメガネは折れ曲がり鼻の上を切り、しばらく血が止まらなかった…。職員に顔を見せない様にそそくさと帰り、メガネは元に戻らず買い替えとなった。また別の日にも午前中の業務が忙しく、脚が重くなってるなと感じていた時に足が滑り、目の前の棚に頭をぶつけた。痛みながらも仕事を続けていたら、病室の洗面台の鏡に映る自分のおでこから血が流れていた。ペーパーで拭くものの止まらないのでナースに相談し、その日担当のドクターに直々に処置をしていただいた。
 車椅子や杖歩行の利用者さんの近くで転倒したり、医療器具や呼吸器の管が繋がっている側でつまずいている事も心配だったし、介護職員へのサポートも上手く出来なくなってきていた事を悩み始めていた年末、股関節痛と腰痛が起きて令和6年1月に地元の診療所へ…原因は、仙腸関節炎だったがブロック注射や痛み止めで治らずMRIのあるクリニックを紹介されて、検査の結果、腰椎椎間板ヘルニアだと言われ、それは以前からあったので歩行障害がある事も相談し、私の歩き方を見て「脳からきているのかも」と、総合病院の脳神経内科を紹介してもらい、そちらで問診、触診、MRI、血液検査等をして「HAMの疑いがある」といわれた。その後、専門医の居る病院の脳神経内科を紹介していただき、一連の検査と髄液検査をした結果『HTLV-1関連脊髄症(HAM)である』と、診断された。
 前の病院でその疑いを言われた時からそれはどんな病気なのか?症状は?治療法は?と、ネットで調べられるだけ調べた。なので、診断された時には素直に納得できた。症状が色々当てはまっていたから…。
 脚がもつれ転倒するようになる、歩行障害が少しずつ進行していく、排泄障害がある… これだと思った。 長い間身体のケアを色々やってきて、身体の痛みがなくなったり、軽くなったり、良くなったと思った矢先に転んでしまう…その症状が徐々に悪くなっている。周りから「運動不足じゃない?筋肉つけないと」と言われ、デスクワークの仕事の人より多く動いているはずなのに…「なんで何で?」と疑問だった。なので、病気が分かって少しホッとした部分もあった。
 けれど進行性の難病である。治療してどれくらいの改善があるのか分からないし、仕事を続けていくのは無理だろうなと、退職することを決めた。辞める直前は、上司に相談しナースが使うカートを歩行器代わりに使わせてもらって業務をしていた。皆優しくて良い職場だった。顔見知りになったお爺ちゃんお婆ちゃんと離れるのも寂しかった。もっと働きたかった…。
 主治医の先生は、この先の事(治療法など)自分でしたい様に決めて良いとおっしゃってくれたので、まだ自分で歩けているうちは、投薬治療は先延ばしして、リハビリで頑張っていきたいと思っている。
 この病気は、この先車椅子生活になるかも知れない。悪くなれば寝たきりになる事も…でも今は、歩くことを諦めず、その時その時の最善な道を探しながら進んでいければと思っています。残りの人生も、自分らしく、ゆっくりのんびり楽しんで生きていきたい。何度ころんでも立ち上がるから。

語者プロフィール

宮城 ゆかり(みやぎ ゆかり)さん 1967年 名護市出身 【これからのテーマ】小欲知足(しょうよくちそく)無い物を求めず、今ある物で満足する。 【目標とするライフスタイル】少ない持ち物でくらす。 【最近の楽しみ】始めたばかりのパソコンが上達する事が嬉しい。

  • イス軸法というセミナーを受けて、西山先生から身体に中心軸を入れてもらって身体全体が楽に軽くなる不思議な体感をした。

  • 外で転んだ時は唇を切って前歯も欠けた…顔を打つのが一番こわい。

2025年4月の報告あれこれ

表皮水疱症患者会開催

 4月12日浦添市のピーズスクエアにて、表皮水疱症の患者・家族の交流会がNPO法人表皮水疱症友の会DebRA Japanの代表宮本恵子さんを中心に開催されました。同日開催で琉球大学病院皮膚科医の山口さやか先生の講演会もあり、正しい知識を得る機会になりました。
 代表の宮本さんはアンビシャスの会報誌194号の「表紙は語る」で体験談を執筆された方です。全身の表皮がやぶれ痛みもあるので、そのケアの方法のアイディアや身体障害者に該当しない福祉制度の間に関する問題提起など患者ならではの提言もされていました。次年度も沖縄開催を予定していますので、患者団体案内一覧にも追記しています。今後、ご相談などは宮本さんに連絡してみてください。

皮膚系疾患の医療相談会を新規開催予定

 上記患者会で講演をされた琉球大学病院皮膚科医の山口さやか先生にアンビシャスの医療相談会について依頼したところ、お引き受けくださいました。新たに皮膚系疾患についても医療相談が可能となりました。開催日時は令和7年8月16日(土)となっています。皮膚系疾患についてのご相談は指定難病の水疱症や先天性魚鱗癬、他の指定難病の合併症での皮膚疾患でお困りの内容を受け付けます。
 お申し込みは、アンビシャスへお問い合わせください。

沖縄型神経原性筋萎縮症 患者会開催

 4月26日南風原町の「環境の杜」にて、沖縄型神経原性筋萎縮症「希の会」の交流会・講演会が開催されました。
 会場での参加者は40名前後でオンラインでも数名が参加されていました。前回は医療講演会を中心に開催されていましたが、今回は患者家族の交流会が中心でした。福岡の聖マリア病院の谷口雅彦先生が患者さんや家族の疑問について対面でお答えいただく形式となっていて判り易かったです。iPS細胞が生成され研究が進んでいるとの情報も共有されていました。
 今後の患者会運営についても話し合われていました。アンビシャスの会報誌の「表紙は語る」へ寄稿いただける方もいらっしゃいます。

ぐしかわ看護専門学校講義引き受け

 4月14日ぐしかわ看護専門学校にて地域・在宅看護論Ⅳの講義をお引き受けさせていただきました。3年生2クラス各90分授業において、「事例を通して看護過程を学び、個別的な在宅ケア支援のための保健・医療・福祉のネットワークの活用方法・継続看護の方法を学ぶこと」を目的に組まれたカリキュラムに沿って、日々アンビシャスに寄せられる難病患者様の声をお伝えすると共に、地域における役割や連携についてお話させていただきました。質問も上がり、まだ難病診断を受けた患者さんと関わったことの無い学生さんにとって、実習前に、少しでもイメージや心づもりのお手伝いが出来ていましたら幸いです。「患者さんにとって頼りになる看護師を目指す」と話す学生さん達がとても頼もしかったです。

アンビシャスメモ

保健所スケジュール

各保健所、今月の予定はございません。

【北部保健所】  Tel:0980-52-2704
【中部保健所】  Tel:098-938-9883
【南部保健所】  Tel:098-889-6945
【那覇市保健所】 Tel:098-853-7962
【宮古保健所】  Tel:0980-72-8447
【八重山保健所】 Tel:0980-82-3241

令和7年度【8月開講】障がい者委託訓練生募集

【募集期間:令和7年6月2日(月)~26日(木)】
【訓練期間:令和7年8月1日(金)~令和7年10月31日(金)】(3ヵ月間)

コース名:リネン類クリーニング科
定員:1名
管轄校:浦添校
募集対象:知的障害、精神障害、発達障害、その他(高次脳機能障害、難病)
訓練場所:石垣市
委託先:沖縄綿久寝具株式会社八重山工場

※受講料無料(但し保険料等は自己負担)
※詳しくは、各管轄校へお問合せください。
【お問合せ先】浦添職業能力開発校 TEL:098-879-2560

2025『難病の日』 ~イベント参加者募集~

 2014年5月23日に「難病の患者に対する医療等に関する法律」(難病法)が成立したことを記念し、5月23日は「難病の日」に登録されました。
 アンビシャスでは昨年より、有志の方々と共に、まだ出会えていない方が困らないためにと思いを寄せて、「難病と診断されたときに役立つしおり」を約1年間に渡って制作して参りました。
 2025年の難病の日は、このしおりの内容のA項目にあたる“難病と診断されたら”における、『難病と診断されたときのフローチャート』を、新たに難病患者ご本人様・ご家族様・支援者様と一緒に制作したいと考えています。
 患者様、ご家族様、それぞれの立場で経験したことをお聞かせいただきたく存じます。
 また、支援者様も是非この機会に療養者様の声を聞き、フローチャート制作にお力添えお願い致します。お気軽にご参加ください。

【日時】6月16日(月)14:00~16:00
【会場】沖縄県総合福祉センターまたはオンライン(Zoom)
【対象】難病患者ご本人様・ご家族様・支援者様・興味のある方
【お申込み】申込フォーム
【お問合せ】沖縄県難病相談支援センター(認定NPO法人アンビシャス)TEL:098-951-0567

こころの現場から

日常生活は信頼で成り立っている

鎌田依里

臨床心理士 鎌田 依里(かまだ えり)

 私たちは皆、当たり前のように毎日すごしていますが、毎日の生活は実は「相手への信頼」で成立しているといっても過言ではありません。例えば、スーパーで食品を買うにも「安全なものである」という認識があるから購入できます。道路を横断していても「青信号であれば安心して横断できる」という認識があるから渡ることができます。誰かに悩みを打ち明ける際には「秘密は守ってくれる」という認識があるから話すことができます。
 また、心理療法(カウンセリング)をおこなう場合には、9時にお会いしましょうと、約束した場合には9時ぴったりにお会いします。日本人の礼儀だからといって10分前に開始することはありません。心理療法で9時にお約束といったら必ず何が何でもお会いするのです。だから次第に心理療法を継続する中で、クライエントさんは人への信頼感を回復していくのです。
 心理臨床の現場で長く生きていると、人と人とは「信頼」で成り立っていることがよくわかります。こころが健康な人はこの目に見えない「信頼」を基にして日常生活を送っているといっても過言ではありません。確かに、明日死ぬかもしれないし、人間いつまで生きているかという保証は全くないし、そういう意味で「保証」はできないと思います。しかし、不思議なのですが、自分たちが生きる前提で日常生活は進み、日常生活が穏やかに継続することを願う想いで、進んでいくのです。
 日常生活の中で、常日頃から「信頼」が裏切られてきた経験をもつと、不穏になり、こころの問題が複雑化していきます。不穏なニュースが多い世の中になってしまいましたが、改めてここで、相手との信頼関係を意識してみるのはいかがでしょうか。

つぶやきチャンプルー

感謝は求めず、惜しまず伝えよ

照喜名通

著:照喜名通

 アンビシャスでは、毎朝スタッフ全員で清掃を行います。私は外周りを担当し、吸い殻や空き缶などを拾いますが、ゴミの多さにうんざりすることもあります。その時、誰のために掃除をするのかを考えると、それは結局自分のためでもあります。言われたからでもなく、他人に褒められたいからでもなく、ただ綺麗になった空間が気持ち良いからです。とはいっても自分の部屋は散らかっているのですが。なんでかねー、残念です。
 何がモチベーションなのか?誰かの役に立ち、誰かの笑顔につながる仕事は励みになります。しかし、感謝されないと複雑な気持ちになり、余計なことをしたのかと悩みストレスを感じることもあります。それでも、どんなことでも経験を積み、より品質が良く、安全で美しい環境を整えることに楽しさを見いだせます。
 また、自分が何かしてもらった時には当然「ありがとう」と伝えるべきですね。普段できないことをしてもらったなら、それは感謝すべきこと。感謝の気持ちは、相手が気持ちよく行動できるためのものでもあります。スーパーのレジ係、新聞配達員、助けてくれた人、寄付してくれた人、関心を示してくれた人―それぞれの行動に感謝。そして、生きていることに感謝。感謝は求めるものではなく、伝えるものなのです。

シリーズ 「患者学」第122回

インフォームド・コンセントから患者中心の医療は広がる

慶應義塾大学 名誉教授 加藤 眞三著

 現代医学では科学が中心にあり、医学研究で科学的な証拠を示すことが重視されました。そして、科学者は科学的関心や科学的業績をあげるため、学会での自分の地位をあげるために、患者さんの個人的な犠牲に注意を払うことなく研究材料としてしまうことになったのです。その傾向は、戦争時には、より顕著になり、凄惨な人体実験も行われることになりました。
 第二次世界大戦直後の軍事裁判で、大戦中に、ナチス・ドイツの医師団が人体実験を行い、科学の名の下に多くの命が奪われたことが国際軍事裁判で明らかにされ、その反省から1947年にニュルンベルク倫理綱領で発表されました。これ以降、人体実験などの医学的研究が許されるためには、研究の対象となる人の自発的同意が必要とされたのです。実は、戦時中でなく平常時であっても、戦前には大学病院などで「学用患者」という言葉が普通に使われ、学用患者が教育と研究の材料と位置づけられていました。
 ニュルンベルク綱領の発表後にも、医療の現場では、患者さんの権利が十分に尊重されない状態が続いてきました。1964年のヘルシンキ宣言では、実験的研究だけではなく、人を対象とする全ての研究において、インフォームド・コンセントが必要とされました。そして、1972年のアメリカ病院協会の「患者の権利章典」では、その対象がさらに拡大され、研究でなくても、日常の臨床の医療の現場で患者は必要な情報を医師から受け取る権利があることが明記されました。インフォームド・コンセントが単なる医師の義務ではなく、患者がもつ権利であると大きく転換したのです。
 1981年の「患者の権利に関する世界医師会(WMA)のリスボン宣言」では、さらに患者の権利の概念が拡げられました。リスボン宣言の全文は日本医師会のホームページに英語版と日本語版が掲載されているので、関心がある人は是非ご覧下さい。つまり、日本医師会も、患者の権利を守るべきであることを公に宣言しているのです。
 リスボン宣言では、弱者への配慮が必要なこと、患者には医学研究や医学教育に参加することを拒絶する権利があることが明記されました。また、医療や健康に関する情報提供が日常の医療活動の中において必要であるとし、さらに一般市民に対しても健康に関する情報を提供するべきとし、情報提供の範囲を拡げています。
 「医師と患者の関係は、上下の関係性が当たり前だ、患者は医療知識など知らなくてもよい」と考える医師が多かった時代である1980年代に、このような宣言が出されていたことは画期的なことでした。
 以上述べてきたように、インフォームド・コンセントは、実験的医学研究の被験者が充分な情報を得た上で、同意をすることが必要であるという人間の基本的権利から始まり、その後、人を対象とする臨床研究全般へ、医学研究だけではなく日常の臨床上の医療行為においても要求されるものへと範囲が拡がり、さらに、一般市民に対する健康情報の提供へと、時代とともにその対象と内容が拡がりを見せてきたのです。
 このことを患者さんや市民にも知っておいてもらいたいのです。

加藤眞三『いのちをケアする医療』春秋社 2025 より抜粋

慶応義塾大学看護医療学部
名誉教授 加藤 眞三
慶應義塾大学名誉教授。上智大学グリーフケア研究所研究員。
患者と医療者の協働関係を作り上げることをテーマに公開講座「患者学」や著作 等を通じ、患者も自ら積極的に医療に参加する啓発活動に取り組む。

加藤先生の YouTube配信中です!
「Dr.シンゾウの市民のための健幸教室」
加藤先生の最新書籍:いのちをケアする医療
出版社:春秋社

2025年度各患者団体 医療講演会のお知らせ

全国膠原病友の会沖縄県支部 医療講演会

【日時】6月28日(土)14:00~15:30(13:40開場)
【会場】那覇市牧志駅前ほしぞら公民館(那覇市安里2-1-1)
【内容】医療講演会
【テーマ】膠原病と共にあること ~セルフケアと支え合いを考える~
【講師】笹良 剛史先生(豊見城中央病院 麻酔科部長・緩和ケア内科 全人的痛みセンター長)
【参加費】無料
【参加申し込み】090-1944-2441(阿波連)(定例の交流会はお休み)

アンビシャスからのおたより

障がい者支援講座コミュニケーション支援機器講座

【講師】松尾 光晴氏(アクセスエール株式会社代表)
【内容】
・入力スイッチの選定から各種入力スイッチ体験
・意思伝達装置ファイン・チャット体験
・コネクトエール、リモコンエール体験
(ご自身のiOS機器を持ってこられれば、それにつないで頂けます!)
入力スイッチやコネクトエール、リモコンエールの特価販売も予定しています。
【日時】2025年6月21日(土)10:00~15:00
【参加費】無料
【定員】15名
【会場】ともかぜ振興会館 研修室4(〒901-0155 沖縄県那覇市金城3丁目5番地3)
【主催】沖縄県障がい者ITサポートセンター
【共催】難病支援センターアンビシャス
【協力】アクセスエール株式会社
【申し込みフォーム】
https://x.gd/sdNW7
沖縄県障がい者ITサポートセンター TEL:070-9237-8183

今月のおくすり箱

「風邪薬」ってどういう薬?

宮里 威一郎

沖縄県薬剤師会 宮里 威一郎

 誰もが風邪薬を使用したことがあることと思います。病院で処方してもらったり、市販の製品もたくさん種類があります。何がどう違うのか、よく分からないから使い慣れたものでいい、そういう選び方をされる方も多いのではないでしょうか。
 風邪薬は大きく分けると、①熱や頭、のど、体の痛みを抑える成分、②鼻水・鼻づまりなどの鼻症状を抑える成分、③咳や痰を抑える成分、の3種類の症状を抑える成分に分けられます。病院で処方される場合は診断の上で症状の程度に応じて必要な種類と量を処方されるので、何種類もお薬が出たり1種類だけだったりします。市販の風邪薬の場合は、なるべくいろんなタイプの風邪に対処できるように、幅広い成分をセットにして製剤化していて利便性に優れています。市販薬を選ぶ際には、どの症状に力を入れている製品かを薬剤師や登録販売者に相談してみると良いでしょう。
 市販薬も医療用も、症状を抑えることが目的の薬ですので、予防になるわけではありません。また、治りが遅い場合には風邪ではない可能性も考えて受診するようにしてください。

アンビシャス広場

~エッセイ~ 「早めになんでも相談」 渡口 正さん(ALS)

 令和2年6月、たまたま私は、沖縄病院の看護師林さんに延命を希望する、しないにより何がどう違うのか尋ねたところ「気管切開するか、しないかの違いだけで、どっちも同じタイプの人工呼吸器マスクを装着します。」と教えてくれました。
 だから、延命希望しない私にとって、気管切開は自分と全く関係のないものと理解し、それ以降、何の疑いも持たず気管切開はしないと決めてました。
 でも、私がうかつでした。令和6年2月頃、以前、相談にのってもらった職場の先輩翁長さんの亡くなった奥さんが気管切開してたことを思い出し、豊見城中央病院の久田先生に尋ねたら、やはり、延命希望しなくても、喉に溜まった痰による息苦しさを取り除くため、気管切開することはできるというコメントを聞いて、ボヨヨ~ン。
 だ液や痰を自力で吐き出すことが出来なくなっていた私は、鼻、口からの吸引でも痰などを取り除くことが出来るんで、気管切開を選択しませんでした。
 それにしても、早めに主治医へなんでも相談すること、大事ですよネ。

※このコーナーの寄稿者(故)渡口正様より生前にお預かりした原稿は、ご本人の意向により最後まで掲載いたします。

お勧め映画/DVD情報

1)ボクは坊さん。 2015年
家の寺院を継ぐため、仏教系大学へ通ったものの家に居候しアルバイトをする日々。
そんなある日、祖父が倒れ…。

2)FLY!/フライ! 2023年
渡り鳥なのに、一度も移動した事が無い鴨。そんなカモの家族が、初めての旅を始める。吹き替えの声優に、堺雅人、麻生久美子、お笑いの、ヒコロヒーも出ている。

3)ハンナ・アーレント 2012年
ドイツ系ユダヤ人の哲学者で政治理論家でもあるハンナ・アーレントの実話を元にした作品。

4)台風家族 2019年
2000万円の大金を銀行強盗した両親が行方不明に。事件から10年経過し、両親の仮想葬儀をすべく、子供たちが集まるのだが…。

★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★

今月の占い

  • 牡羊座 3/21-4/19
    聞く耳を持って柔軟に
    ☆リフレッシュ法:断捨離
  • 牡牛座 4/20-5/20
    笑顔を増やす生活を
    ☆リフレッシュ法:談笑
  • 双子座 5/21-6/21
    向上心を心掛けて
    ☆リフレッシュ法:読書
  • 蟹座 6/22-7/22
    挨拶や作法丁寧に
    ☆リフレッシュ法:散歩
  • 獅子座 7/23-8/22
    身の周りを綺麗に
    ☆リフレッシュ法:掃除
  • 乙女座 8/23-9/22
    イラつく前に深呼吸
    ☆リフレッシュ法:歌唱
  • 天秤座 9/23-10/23
    お洒落して気分転換
    ☆リフレッシュ法:スキンケア
  • 蠍座 10/24-11/21
    自分らしく無理せず
    ☆リフレッシュ法:DVD・TV鑑賞
  • 射手座 11/22-12/21
    気持ちは抑えずに
    ☆リフレッシュ法:音楽鑑賞
  • 山羊座 12/22-1/19
    言葉遣いに注意を
    ☆リフレッシュ法:飲食
  • 水瓶座 1/20-2/18
    睡眠不足に注意を
    ☆リフレッシュ法:お風呂
  • 魚座 2/19-3/20
    身も心も清潔に
    ☆リフレッシュ法:映画鑑賞

編集後記

 今月の「表紙は語る」にご寄稿いただいたのは、HTLV-1関連脊髄症(HAM)を持つ宮城ゆかりさんの体験談です。診断をうけて発症経路から病状悪化時の対応とこころの動きが手に取るように説明されています。今のあるもので満足する一方で、新たなパソコンスキルの向上を目指す側面を持つ宮城さんの姿は、楽しんで過ごされていて元気をもらえます。
 今月の患者団体一覧には表皮水疱症と沖縄型神経原性筋萎縮症の2団体が追加されました。新たな患者会の受け皿が増えることは支援に繋がりやすくなり、心強く感じます。
 6月は看護学校の講義が入っています。将来私たちを看てくれる看護師に難病のことを知ってもらうことを期待しています。また、新年度のアンビシャスの各種イベントもスタートしています。各イベントの詳細は、アンビシャスの公式LINEやホームページからご確認いただき、お申し込みください。
 来月から沖縄では指定難病と小児慢性の医療費助成の更新時期となります。保健所に提出する医療機関からの意見書(臨床調査個人票)は早めに手続きしておきましょう。沖縄では暫くすると梅雨もあけ、これから暑くなる季節に突入します。体調を崩しやすい季節でもありますので、体調管理に気を付けていきたいです。

文 照喜名 通