最終更新日:2025年06月02日
安田 由喜子(やすだ ゆきこ)さん
全身性エリテマトーデス、IgA腎症、シェーグレン症候群 他
私はこれまで大きな病気もなく、体力には自信がありました。しかし、2024年2月に総合病院へ緊急入院し、指定難病のSLE(全身性エリテマトーデス)と診断されたことで、生活は一変しました。さらに検査の結果、IgA腎症、シェーグレン症候群、橋本病、クリオグロブリン血症、光線過敏症と、次々に病名が明らかになりました。
思い返せば、病気の兆しは以前からあったのかもしれません。2018年のカナダ、2019年のオーストラリアへのワーキングホリデーでは、日本よりも強い日差しに当たって倦怠感を覚えることがありました。2020年に帰国後、全国を巡る農業旅では倦怠感や歯の不調が続き、後にそれがSLEやシェーグレン症候群の初期症状だった可能性があると知りました。2022年には宮崎で原因不明の発熱と下腹部痛が度々あり、総合病院で検査しても異常は見つかりませんでした。2023年末には和歌山で膀胱炎のような症状があり、急性水腎症と膀胱炎と診断され、半年ごとの経過観察を勧められました。年明けの2024年、帰省中の沖縄で再び強い痛みと膀胱炎の症状が出て、腎臓の腫れが発覚し、本格的な治療が始まりました。
各地を転々とし、病院も変わり続けていたため、発見が遅れたのかもしれません。それでも、体調不良のたびに諦めずに病院を受診していて、本当に良かったと思っています。
難病と診断され「完治はない」と告げられたときは本当にショックでした。でも、主治医から「寛解を目指して、日常生活を送れるようになる」と教えてもらい、少しずつ気持ちが落ち着いていきました。
当時は就職活動中で、最終面接を控えていましたが、長期の治療が必要となり、面接を断念し、これまでのように体を動かす仕事は難しくなったため、在宅でできる仕事への切り替えを勧められました。
最初は「早く治して在宅で事務の仕事をしなければ」と焦ってばかりいましたが、ある人から「病気を治そうとするより、ギフトとして受け入れてみると楽になるよ」と言われ、少しずつ心が軽くなっていきました。それからは『できること』よりも『やりたいこと』を大切にするように心がけています。
病気を受け入れるには時間がかかりました。今も、完全に受け入れられたわけではありません。「前はもっと動けたのに」と落ち込む日もあります。紫外線を避けなければならず、好きだった農業の仕事も以前のようにはできません。それでも、ベランダでハーブを育てたり、興味のあった発酵食品づくりに挑戦したりと、無理のない範囲で『やりたいこと』を楽しんでいます。
入院生活では、たくさんの出会いがありました。同室の患者さんたちと毎日おしゃべりをしたり、検査に向かうときには「頑張ってね」「行ってらっしゃい」と声をかけ合って励まし合ったりしました。なかでも印象的だったのは、90代の元気なおばあちゃんに沖縄の薬膳レシピを教わったことです。退院後、そのレシピで『島にんにくの泡盛漬け(ヒル酒)』を作り、台所の瓶を見るたびに、おばあちゃんの笑顔を思い出しています。
入院中に知り合った仲間たちとは、今でもSNSなどでつながっています。病気にならなければ出会えなかった人たちとの絆に、日々支えられています。
また、夫をはじめ、家族や友人、病院スタッフの皆さん、同室の方々、アンビシャスの皆さん、ハローワークの職員の方々など、多くの人に支えられました。孤独になりがちな入院生活で、誰かの言葉や笑顔がどれほど心の支えになったか、計り知れません。
病気は新しいご縁も運んできました。沖縄での治療中に高校時代の担任の先生と20年ぶりに再会したり、以前の同僚と連絡を取り合ったり。そして、入院中に別れも考えた私に、彼が「結婚するよ!」と言ってくれて、本当に結婚することに。偶然にも結婚式の懸賞が当たり、退院後しばらくして式を挙げることができました。療養中で体力的に遠出が難しい中、会いたかった方たちが各地から集まってくれ、直接感謝を伝えられたことは、かけがえのない贈り物でした。
そして、長い治療を経てついに寛解期を迎え、ようやく県外で働く夫のもとへ行くことができました。2025年の年明けには夫の実家へ帰省し、穏やかな時間を共に過ごせたことで、家族の温かさを改めて感じました。そして、寛解期後初めての海外旅行にも挑戦しました。行き先はタイ。オーストラリアでの農業バイトの際に一緒に暮らしたタイ人の友人たちと5年ぶりに再会し、友人たちに夫を紹介して楽しい時間を過ごしました。
今は、曼荼羅(マンダラ)アーティストである夫の活動を支えながら、自分自身の『やりたいこと』を探しています。将来は自然に囲まれた場所で、穏やかな暮らしを二人で築いていけたらと願っています。
これらの経験を通して、私が強く伝えたいことがあります。それは、「体の違和感を『気のせい』にしないでほしい」ということです。どんなに小さな不調でも、自分を信じて病院を受診し続けてください。もし当時の私が我慢を続けていたら、命に関わっていたかもしれません。
病気は確かに試練でしたが、その中には出会い、再会、気づきという多くのギフトが詰まっていました。そして、良いことと悪いことは一緒にやってくるものだと実感しています。病気を心からギフトだと思える日が来るのはまだ先かもしれませんが、今はこれも私の一部として、丁寧に向き合っています。これからも自分の体の声を大切にし、支えてくれる人への感謝を忘れず、前を向いて少しずつ歩んでいきたいと思っています。
安田 由喜子(やすだ ゆきこ)さん
【出身地】沖縄県那覇市
【趣味】旅、読書、散歩、土に触れること(最近はモヒートミントと赤紫蘇に夢中)
【夢】夫とボリビアのオキナワ村とウユニ塩湖へ行くこと。遠く離れた土地に心惹かれています。
【最近の関心】病とともにある暮らしを、焦らず、自分らしく整えること。
夫(曼荼羅アーティスト)のInstagramはこちら:@mandala_ka2uki
【WA_wear】オリジナル曼荼羅Tシャツ販売中。
詳細はInstagramプロフィールのリンクからご覧ください。
夫との出会いは、農業旅の企画でした。たくさんの方々に見守られた結婚式に、心から感謝です。
『1111』夫の曼荼羅アート
2018年、カナダ・ワーキングホリデー中に出会ったモレーンレイクの絶景。
オーストラリアで共に暮らしたタイの友人たちと、バンコクで5年ぶりに再会。寛解期を迎え、夫と久しぶりの海外へ!
5月14日、アンビシャス事務所およびWEBにおいて第24期定時総会が開催されました。
当日は、正会員12名の参加を得て、アンビシャスが24期中に行った事業の内容をまとめた事業報告、事業を執行するにあたり皆様からお預かりした寄付金や賛助会費がどのように使用されたのかを開示する活動計算報告等の各説明が照喜名センター長からあり、活発な質疑応答がなされました。
とりわけ、25期の活動は、これまでに行ってきた「医療相談会」や「難病とストレスとのつきあい方」といった活動を踏襲したうえで、「難病と診断されたときに役立つしおり」を柱とした「難病ワークショップ」、「難病勉強会・意見交換会」など広く啓発が可能な活動を行うことが年間スケジュール上報告がありました。
今後、会報誌やホームページ上で情報提供と参加者を募る場面も出てまいりますので興味のある活動に奮ってご参加ください。
こうした難病支援活動に取り組むことができますのも、賛助会員の皆様やご支援の賜物です。改めまして深く感謝申し上げます。(活動報告の一部を今月号に掲載しています。詳細は、ホームページの団体案内、決算報告よりご確認ください。)
5月15日に宮古保健所において令和7年度難病対策地域ネットワーク会議が開催されました。テーマは災害時避難行動要支援者の状況及び個別計画について、在宅医療ケアを必要とする難病等患者の課題や、日常生活支援サービスについて話し合われました。
参加者は市村関係課、医療機関、医療機器事業所、訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所、社会福祉協議会、児童デイサービス事業所の関係者とアンビシャスが参加しました。台風襲来の前に開催され、各関係者が抱える課題や対応策を話し合いました。
5月22日に担当者会議が開催されました。難病の方々を支える支援者のひとつに保健所の保健師がいます。4月から人事異動で難病担当に配属される方もいます。新年度が始まるうえで確認しておきたいこと、新たな制度などの情報共有を主眼として担当者会議が開催されています。拠点病院やアンビシャスも事業概要の説明をさせて頂いています。
各保健師は個別支援する方々のご自宅を訪問して、制度説明や各家庭で困っていることを聞き取り解決するために、医師などの医療者、ケアマネなどの介護者、計画相談員などの福祉関係者との調整をしています。
アンビシャスには、防災関係、発語が出来なくなった方へのコミュニケーション支援、唾液が飲み込みにくくなった方への低圧持続吸引器の貸出事業があります。こうした貸出が必要な方への情報提供などを保健師と同行し、要介護者のお手伝いをさせてもらっています。
各保健所、今月の予定はございません。
【北部保健所】 Tel:0980-52-2704
【中部保健所】 Tel:098-938-9883
【南部保健所】 Tel:098-889-6945
【那覇市保健所】 Tel:098-853-7962
【宮古保健所】 Tel:0980-72-8447
【八重山保健所】 Tel:0980-82-3241
【募集期間:令和7年7月1日(火)~25日(金)】
【訓練期間:令和7年9月1日(月)~令和7年11月28日(金)】(3ヵ月間)
コース名:リネン類クリーニング科
定員:1名
管轄校:具志川校
募集対象:知的障害、精神障害、発達障害、その他(高次脳機能障害、難病)
訓練場所:名護市
委託先:沖縄綿久寝具株式会社(名護工場)
※受講料無料(但し保険料等は自己負担)
※詳しくは、各管轄校へお問合せください。
【お問合せ先】具志川職業能力開発校 TEL:098-973-6680
コース名:リネン類クリーニング科
定員:1名
管轄校:浦添校
募集対象:知的障害、発達障害、その他(高次脳機能障害、難病)
訓練場所:南城市
委託先:株式会社那覇ミート(大里工場)
コース名:繁殖養豚実務科(実践)
定員:1名
管轄校:浦添校
募集対象:知的障害、発達障害、その他(高次脳機能障害、難病)
訓練場所:八重瀬町
委託先:株式会社那覇ミート(東風平農場)
※受講料無料(但し保険料等は自己負担)
※詳しくは、各管轄校へお問合せください。
【お問合せ先】浦添職業能力開発校 TEL:098-879-2560
アンビシャスでは昨年より、有志の方々と共に、まだ出会えていない方が困らないためにと思いを寄せて、「難病と診断されたときに役立つしおり」を約1年間に渡って制作して参りました。
2025年しおり作り2年目は、このしおりの内容を充実させていくため、しおりの内容に沿ってワークショップおよび勉強会を企画いたしました。前半に講師の先生に講演いただき、後半には講演内容を参加者様と意見を出し合ってしおり制作していけるよう予定しています。
【日時】7月16日(水)14時~16時
【内容】前半は防災マニアのアンビシャスセンター長 照喜名通を講師に、災害や急変時を想定して、防災について学びます。後半は、テーマである“防災について"を一緒にフローチャートに文字起こししていき、現在制作中の「難病と診断されたときに役立つしおり」の内容に盛り込んでいきます。
【会場】沖縄県総合福祉センターまたはオンライン(Zoom)
【対象】難病患者ご本人様・ご家族様・支援者様・興味のある方
【お申込み】申込フォーム
臨床心理士 鎌田 依里(かまだ えり)
昨今の風潮では、心理的な問題を抱えている人に対しての支援が広まってきたように見えます。精神科への通院に対しても、ひと昔よりも敷居が低くなっており、何か困ったことがあればインターネット検索して、ヒットした精神科クリニック等へ受診するという流れが一般的になっているように感じます。
ただ、教育現場でも福祉現場でも患者支援現場でも、相談者が「ストレスを抱えていて…」「最近よく眠れなくて…」等の悩みを打ち明けてきた場合、すぐに〈それは心理的な問題だ〉とストレスやトラウマ諭で支援者は考えてしまうきらいがあります。
目の前の人に生じている問題が心理的な問題であると最初から決めつけることは絶対にしてはいけません。基本的な流れとしては、目の前にいる人の訴えや悩みは〈身体疾患から生じているのではないか〉と最初に考え、身体疾患の可能性が除外されて初めて〈それは心理的な問題ですね〉となるのです。例えば、朝「学校に行く時になると頭が痛くなる」「お腹が痛いから今日は学校には行きたくない」と訴える子が居たとします。その場合、訴えの程度と頻度にもよりますが、まずは〈頭痛が生じるような身体疾患の可能性はないか〉〈腹痛を生じさせる身体疾患の可能性はないか〉と疑い、必要に応じて受診します。その結果で身体疾患の可能性が除外されて初めて〈学校に行きたくないと身体症状にまで出てしまう辛い状況にこの子は置かれているのではないか〉を考えるのです。
身体疾患も精神疾患も「診断」できるのは医師のみです。丁寧に話を聴く時間を設けつつ、医師との適切な連携ができるように常日頃から心がけておくとより質の高い相談活動ができるようになるでしょう。
著:照喜名通
難病を持ち在宅で人工呼吸器を装着している大人や、子供の非常時電源確保について沖縄県では補助金による発電機や蓄電池の貸出事業があります。私は、貸与される機器の安全な使い方の説明のため、保健所の保健師さんと対象となる方々のご自宅へ訪問させていただいています。機器の貸し出しにあたり使い方の説明のために訪問するのですが、家具の固定やガソリンの確保など防災について質問されることがあるので、自分自身でも防災備蓄について興味が湧いてきました。今では自家用車のガソリンが半分になると、「今地震が来たらどうしよう」と不安になります。人は不確実な未来について不安になります。
難病相談でも不安を訴える方がいます。難病と診断され今後治らないのならどうなるのだろうと不安になるのはあたりまえのことです。不安になることは生物の防衛本能であるので、それは止めることはできないのです。不安な気持ちで心が乱れ、更に不安が増幅してしまいます。
しかし、私たち人類は考え想像することができます。まだ起きない未来のことだからと勇気をもって一旦諦め、開き直り、しかたないことだと受け入れると楽になります。なぜか一旦冷静になると心の乱れは落ち着いて、今できることだけを考え実行し、やることはやった。あとは流れに乗っていくだけです。きっと素敵な明日が訪れると思います。
慶應義塾大学 名誉教授 加藤 眞三著
今回は専門医の思考法について解説します。
科学では普遍性が求められ、どこでも誰にでも通用することが前提とされます。地域や文化による差、人種差、個人差などをあまり考えなくてよいのです。診療はマニュアルに従って行えばよく、マニュアルに当てはめて診療することが善なのです。科学的医師は、感覚や直感にたよるのではなく、普遍的な知識や技術、論理的思考の上で医療を提供します。感情は表に出さず、理知的であろうとします。統計処理による科学的証拠に基づく医療を重要視します。数値や画像で表されないもの、統計処理できないものが、興味の対象外となるのです。
近年、内科医師の診察から聴診や触診などの技術は切り捨てられてきました。聴診器一本で、心臓にどのような異常があり、どのような血流の変化があるのかを適確に聴き分けることのできる名医や、打鍵器で診察することにより脳のどの場所にどのような変化があるかを診断する名医がいたのは一昔前のことです。超音波検査やCT検査・MRI検査などの医療機器による診断が名医の診断より精度が高くなってしまい、名医の存在意義が減ってきたからです。
現代医学が要求する知識と技術は膨大であり、一人の医師が全ての医療を習得することは困難です。そこで、専門分化が進みました。専門医は専門分野の知識と技術に精通し、専門分野の病気に責任感を持ちます。その代わり、専門外の病気は避けようとします。自分の専門分野に逃げこむほうが楽なのです。
専門医は次第に人間を全体として見ることに関心が持てなくなります。機械修理工のように、悪い部分を特定し、その部分の補修や取り替えを試みることになります。
専門医は、患者さんの病気が自分の専門分野の範囲内にあると判断すれば、次に大切なのは命に関わる病気であるかどうかです。命に関わらないものであれば、とりあえず経過をみておけば良いと考えます。
病気の原因に対する治療ではなく、症状をおさえるだけの医療は対症療法と呼び軽視します。専門医は有効な治療がある病気に対しての診療意欲を見せますが、有効な治療がなければ関心を失います。
専門外の患者さんをみることや、自分の専門分野ではあっても治すことのできない患者を診療することは、専門医にとっては屈辱的であり苦痛と感じます。治療可能な病気を診療している時には、自分の満足感も高く、患者さんにも喜ばれます。しかも、外来には、そのような治療を希望して受診する患者さんが沢山待っているのです。
治療可能な患者さんの診療を優先するのは、合理的な思考の結果であり、一概に責めることはできません。彼等は治療可能な患者さんの診療で、身も心もすり減らしながら働いているのですから。
以上、科学的医師と専門医の思考法について述べましたが、あなたはそんな医師を許せないでしょうか。ある程度理解できるでしょうか? わたしは医師がこのように考えてしまう背景を患者さんにも少しは理解していてもらいたいのです。そのことが上手く医師とコミュニケーションをとるためのヒントになると思うからです。
医師は必ずしも、最初から患者を騙そうとか、この患者で儲けてやろうとか、仕事をさぼろうなどと考えているわけでなく、それぞれの役割意識の中で自分の専門性を生かそうとしているのです。こんな状況を知っていただいた上で、医師や医療者にどのように対処できるかを患者さんの側でも考えてもらいたいのです。
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加藤先生の最新書籍:いのちをケアする医療
出版社:春秋社
JRPS沖縄宮古支部eye(愛)の会では、次の要領で視覚障がい者のための機器展示が予定されています。
【内容】視覚障がい者のための機器展示
【対象】見づらい・見えにくい・見えない方(疾患は問いません)
【日時】8月20日(水)10時~15時
【参加費】無料
【会場】社会福祉協議会 平良支部
【主催】JRPS沖縄宮古支部 eye(愛)の会
【共催】メガネ1番
【協力】社会福祉協議会 平良支部
【申込み】不要/当日お気軽にお越しください
【連絡先】沖縄県網膜色素変性症協会
宮古部会(伊良波)090-8294-6174
5月10日、沖縄県網膜色素変性症協会(JRPS沖縄)第13回総会並びにアイフェスタを開催しました。当日は悪天候にもかかわらず多くの方々にご来場いただきました。
総会においては、滞りなく議事を終えることができました。また、今年の講演は、「「合理的配慮」について~配慮を求める側が理解しておきたいポイント~」と題してNPO法人View-Net神奈川の小泉暁美氏にご講演いただきました。小泉さんには「障害の社会モデル」の考え方を基礎に「合理的配慮」の真の意味についてご説明いただき、私たちが理解しておかなければならないポイントを学ぶことができました。
併せて、患者・家族の交流や福祉機器の展示なども行いました。
沖縄県薬剤師会 白坂 亮
細菌による感染症で抗生物質を処方された経験がある方も多いかもしれません。この抗生物質には、感染症の原因菌を減らす効果がある一方で、腸内細菌に影響を与えることがあります。腸内細菌は便通改善や、一部のビタミンを産生するなど、人の健康にとって重要な菌も多く存在します。抗生物質を長期間服用すると、腸内細菌が減少し、下痢などのトラブルやビタミン不足につながることがあります。また、耐性菌という薬が効きにくい菌の発生にもつながるため注意が必要です。これらの理由から、抗生物質は基本的に短期間(数日~1週間程度)の処方で出されます。ここで大事なのは、もし抗生物質でトラブルが起こっても、自己判断で服用を中止しないことです。途中でやめてしまうと、病気が治らなかったり、耐性菌が増えたりするリスクがあるため、安易な中止はおすすめできません。まずは医師や薬剤師にご相談ください。
季節によってかかりやすい感染症もありますので、日々の体調管理には十分お気をつけください。
仕事などで多くの人たちに助けてもらいながら生きてきた私は、その時々に感じた気持ちが忘れられない面倒くさい人間なんで、いつも、チャンスがあれば助けてくれた方々やお世話になった方々に恩返しがしたいと思ってきました。
ところが、ALSの発症から5年を経過した私の病は、想定どおり進んでしまい、もはや直接恩返しできなくなったんで、せめて社会への恩返しをしようと決めてたんです。
すっごくちっちゃなコミュニティだけど、私は勤務環境が厳しいといわれていたヘルパーさんらに対していただいたリンゴをおすそ分けしたり、糸満では人気のハマキョーパンのファミリーロールやTシャツなどの古着を、チョット無理して受け取ってもらっていたかも知りません。本当、これって、自己満の世界ですよね。
お世話になった方々やアンビシャスのスタッフの皆さんに感謝しつつ、エッセイを通じて私の思いが少しでも読者の皆さんに伝わったらいいなぁと思いました。
私のエッセイは今月でおしまいですが、これまで拙い文章にお付き合いくださり、ありがとうございました。どうか皆さん、心穏やかに(ルンルン気分で)、健やかに。
※寄稿者渡口正様から生前お預かりしました原稿は、今月号で最後となります。渡口さんのお人柄が、よく表現された「エッセイ」 の数々。いつか拝見したお写真の笑顔で発行を見守っていただいていると思います。渡口正様のご冥福を職員一同願っております。
1)女囚セブン 2017年 ドラマ
殺人の冤罪で刑務所に入った芸妓が、同部屋の囚人達と揉めながらも、冤罪を晴らそうとして行く。出演は、剛力彩芽、安達祐実、山口紗弥加など。結構面白かった。
2)監獄のお姫さま 2017年 ドラマ
脚本・監督のソン・シンインの実体験が50~60%ほどで構成されている、京都大学で映画理論を学んでおり、台湾のアニメーション映画である。東京アニメアワードで、コンペティション部門長編部門 グランプリ・東京都知事賞を受賞
3)幸福路のチー 2017年
ドイツ系ユダヤ人の哲学者で政治理論家でもあるハンナ・アーレントの実話を元にした作品。
4)漁港の肉子ちゃん 2021年
明石家さんまが初となる企画・プロデュースを務めた劇場アニメ作品声優には、大竹しのぶCocomiなど。
★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
今月の「表紙は語る」にご寄稿いただいたのは、SLEとその他5つの疾患を抱えている安田由喜子さんの体験談です。病気になってこれからの生き方は出来ることを探すのではなく、やりたいことを求めるようになっていく心境の変化が励みになります。安田さんの今後にも期待したいです。
今月の会報誌は決算報告を掲載しています。前年度は無事に成果を果たせました。これも皆さんの支えがあってこそです。今年度もどうかよろしくお願い致します。
また、エッセイのコーナーでは担当して頂いた、渡口正さんからのご寄稿は今月で終了となります。長い間ほんとうにありがとうございました。
7月は指定難病の更新が始まります。後半になると待ち時間も長くなると思いますので早めに手続きしたいです。将来、オンライン化されることになったら手続きが簡素化され、楽になります。
沖縄は梅雨明けが例年よりも早く、台風1号の発生は過去5番目に遅いです。どんな夏になるかは判りませんが体調を気にしながら健やかに活動していきたいです。
文 照喜名 通
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