1. 2025 難病勉強会・意見交換会 1203

2025 難病勉強会・意見交換会 1203

是非12月10日(水)は一緒に「難病と診断されたときに役立つしおり」を作成しましょう!

12月3日に、沖縄国際大学の上田幸彦先生に『難病とストレスのつきあい方』の勉強会を行っていただきました。
        

今回の勉強会はしおり項目 B「難病と診断されたときに心に起こること・難病との向き合い方」に当てはまります。
〇難病と診断されたときに心に起こること
〇患者本人と周囲の人たちの気持ち・理解について
〇難病との付き合い方のヒント

今回の勉強会については事前に講師と参加者で打ち合わせをしています

今回はいつも「しおり作り」に参加いただいているメンバーさん達と一緒に講師との打ち合わせをし、
どういう内容が良いか話し合いました。

また、現在お申し込み時にいただいている事前質問は以下の通りです。
〇具体的なストレスとの付き合い方がありましたら教えて欲しいです。
〇ストレスが身体機能に及ぼす影響とその対策がありましたら教えて欲しいです。(家族)
〇どんなことにストレスを感じ、向き合っているか。サポートできることなど。(支援者)

本番!!【県総合福祉センター】×【北部保健所】×【Zoom】

3会場よりハイブリット開催しました!!
【県総合福祉センター】6名様

【Zoom】8名様

【北部保健所】2組4名様と保健師さん
当日のプログラムは前後アンビシャスからのお知らせを挟み以下の通り行われました。
 14:10~ 『難病とストレスのつきあい方』講話
 15:10~ 休憩(10分間)
 15:20~ 質疑応答・意見交換・しおり作り

ストレスとは?なぜ体と心に反応が出るの?? ~からスタート!

ストレッサーの説明。
ストレッサーとはストレス(生体に歪み)を生じさせる原因。
ストレスから身体や心は反応が生じます。

からの・・・脳の下垂体前葉のお話。・・・
副腎皮質・コルチゾール
交感神経・副腎髄質・・・ノルアドレナリン・アドレナリン
これらが中枢・末梢諸臓器機能を変容させるというお話。
脳がストレッサーを認識すると交感神経とストレスホルモン(コルチゾール)を通して体に変化を生じさせるそうです。


そこで、ストレス対処法としては、
問題焦点型と情動焦点型のご紹介!!
 等々
また、マインド・ワンダリングという現象についても紹介がありました。


人は普段、今行っていることではない他のことを考えていて、1日の半分以上は、マインド・ワンダリングしているそう。
マインド・ワンダリング自体は悪いことではないそうですが、ネガティブな気分(不安、抑うつ、怒り)になるとネガティブな思
考についてのマインド・ワンダリングが起き、悪いことばかりを繰り返し考える(思考の反芻)
さらにネガティブな気分になる(ストレス反応の増幅)
さらに悪いことを考え続ける(ストレッサーの増幅)
という現象だそうです。

そこで!!

実際に10分会場でも行いました。

~後半へ続く~


質問1 Q:瞑想は、朝昼晩いつごろが良いというのはありますか?寝る前はどうですか?
A:自分が習慣づけられる時間が良いです。
1日が終わって、疲れを緩和させるために夕方やるというのもおすすめです。
寝る前にやるとその後より良い睡眠につきやすいということもあります。
寝る前にやるときは、出来れば座った状態でやったほうが良いです。横になって布団の中でやるとそのまま寝てしまう可能性があり、意識を持続させるという練習にはならなくなる為、睡眠とは分けると良いでしょう。
また、朝やるというのもおすすめです。朝は非常に集中しやすく、脳を活性化することが出来ます。
それぞれ利点がある為、どの時間帯が1番良いということはありません。

質問2 Q頭の病気をしているため、座位保持で目をつぶっていると、自分の軸がずれて座位が保てず、ぐにゃっとなってしまう感覚があります。また手の位置にポイントはありますか?
A:姿勢の保持に問題がある場合は、必ず座ってやらなければいけないというわけではありません。腹式呼吸をイメージして、横になってやるときは膝を立てた状態でやることで眠り込んでしまうことを避けることができます。また手をお腹に置くと、腹式呼吸を感じるということはありますが、手の重みで身体を拘束するような形になるので、出来るだけ開かれた状態で、外向きの状態がいいと言われています。手を開くと解放感が得られます。

目をつぶると軸がずれるという方には、ひとつの瞑想法として目を開けて1 点を見続けるという瞑想法もあります。
その他には、大きく目をあけるのではなく、薄目で見るものを決めてずっと見続ける形でもいいと言われています。
ポイントは1つのことに集中を続けることです。必ずしも目をつぶってやるというわけではありません。

質問3 Q:自律訓練法というのを受けたことがありますが、方向性は自律訓練法と違いますか?
A:方向性はほぼ同じになります。自律訓練法はもともと催眠で、そこから自律訓練法が編み出されています。いつかそうなるだろうというのが自律訓練法で、「評価判断しない」というのと全く同じです。頭の中で「そうなれ、それなれ」と、念じてやるのではなく、呼吸に意識を向けていると次第にリラックスしてきます。ちょっと違うのは身体がリラックスした状態を作りだせる状態になるということです。副交感神経が活発になったような身体の状態にだんだんなれるもので、マインドフルネス瞑想は頭の中で考えていることに囚われないようになる練習です。そこが自律訓練法との違いになります。

質問4 Q:先生の講義内に、「病気で何かが出来なくなる→それを誰かに頼むときにストレスを感じることが多い。」ということでしたが、自分も誰かに頼むことにストレスを感じることが多く、出来るだけ自分でやりたいなと思っています。そして誰かに頼むときには「ありがとう」とつい思うものですが、先日「ありがとうございます」と言ったら、「ありがとうと言わないで」と返されたことがありました。先生はいかが思われますか?
A:感謝するのもストレスなのかもしれませんし、「お互い様だからありがとうと言わない方が良いのでは?」という意味かもしれませんが、「ありがとうございます」を言うということは必要だと思います。むしろ言った方が良いと考えます。もしかすると、「自分はすごく大変なことをやってあげた」という感じではないということかもしれません。その人にとっては「そんなに感謝されるようなことをやったわけではないのに」との思いがあるかもしれません。感謝しろというわけではありませんが、家族の中でも「ありがとう」を言う事は必要だと思います。近い関係になればなるほど、普段やってくれることに関して感謝の言葉を述べなくなる傾向があります。家庭の中でも、やってもらったことに感謝を述べるということは大事なことだと思います。

質問5 Q:ストレッサーの中で紹介されたように、自分は「過去の記憶」を時々思い出して怒りを覚えるときがあります。
マインドフルネス瞑想をした方が良いのでしょうか?

A:怒りが出てきて困ったことになっていますか?
 過去の記憶に対し、ずっと怒っていてずっと考え続ける人もいて、悪循環になり更に怒りが強くなることがあります。
 思い出して怒りが続いているときにはマインドフルネスは良いと思います。怒っている状況の中でも効果的です。
 マインドフルネス瞑想をやりながら怒りを思い出すこともありますが、怒りがこみあげてきて「嫌だな」などと思わないのであれば良いです。人によっては怒りを思いだしたときに「嫌だなと思っちゃいけない」と思うことがありますが、マインドフルネス瞑想のポイントは評価・判断はしないことです。

質問6 Q:自分が悩んでいることに対して追いつめてしまうことがあり、それで鬱みたいな感じになることがあります。そういう時の対処法はありますか?
A:鬱になりやすい人は悩んでいることがある時に、最初は「困ったな」ということがスタートだと思いますが、その後「何でかな?」と考え出し、「どうしたらいいのかな?」などと考え出します。そして、「こんな風になったのは自分のせい」であったり、「自分のやりかたが間違ったからこんな風になったんだ」と考える人がいます。そして、考え続ければ続けるほど鬱になります。なので、ちょっと落ち込むことがあった時に、「どうしたらいいんだろう?」「原因は何だったんだろう」と考えるときに、「自分のせいだ、自分が原因だ」と考えないことです。他の方法で解決できないかなという風に考えていくこともポイントです。
 
【上田先生より補足】
今回ご紹介したマインドフルネスは、まずは一日 10 分間やることが基本練習になります。


応用練習としては日常生活の中で、何かやっているときに呼吸を意識しながらやることです。
シャワーを浴びながらであったり、歩いているときなど、色んな場面でマインドフルネスの練習が出来ます。
だんだん日常生活の中に広げていくことでストレス対処法にもなるので、今やっていること以外のストレスを持ち込まないよう、今やっていることに集中して、応用練習も試してもらえたらなと思います。