1. 難病情報誌 アンビシャス 219号

難病情報誌 アンビシャス 219号

最終更新日:2020年08月02日

表紙は語る

夢は三線を持って世界をバックパッカーとして旅すること!

小黒 円(おぐろ まどか)さん
先天性副腎皮質酵素欠損症

Q 発症はいつ頃ですか?

A 先天性の病気なので生まれつきの病気ですが、2015年施行の難病新法で指定難病として医療費助成の対象になりました。
 私の病気をわかりやすく言うと、健康な人には適量分泌されている副腎皮質ホルモンが先天的に不足している為、普通の人より疲れやすく、免疫力が低いなどの症状があります。
 また足りないホルモンを補うためにステロイド剤を継続して服用する対症療法しか無く、服用の長期化による副作用で、骨の変形や皮膚が薄くなるなどの症状が出て、寒いと関節が痛んだり、ケガをすると治りにくかったりと健康な人より体調に気をつけて生活していかなければなりません。

Q 転機となった出来事は何ですか?

A 28~29歳に単身で行ったオーストラリアでのワーキングホリデーが私の人生観を大きく変えた出来事でした。
 色々な事に遭遇しました。様々な人種、年齢、性別の方々と働き、交流し、生活を共にしました。国によって価値観、文化などが違い、今まで普通と思っていた日本の常識が世界的に見たら普通じゃなく、「今までなんと自分は狭い世界の中で生き、考え、生活していたのか!」と目からウロコ、覚醒しました!
 バックパッカーで生活していた頃に出会ったアジアやヨーロッパ、南米、アメリカなど世界中の方々と仲良くなり、それぞれの国の食べ物を作り合ってパーティーをしたり、色々な国の話しを聞いたりと、そこでの会話はほとんど英語で、英語が出来ればかなり世界が広がる!と英語の重要性をひしひしと感じ、私も英語をうまくなりたいと強く思いました。が、今もって上手く話せません(泣)。そこで、世界から見た日本を知ることで、日本を見つめ直す事もできました。
 ワーホリ期間は色んなお宅にステイし、色んな所で働きました。日本から来た見ず知らずの小娘にもみんな優しくて、人々の優しさや思いやりは人種や国籍なんて関係ないんだなぁ~と人の優しさにも感動しました。
 オーガニックな生活をしている家にもステイしたのですが、ほぼ自給自足の生活で、自然の恵みを大切にし、物をムダ遣いしなかったりと、オーストラリアでのワーホリ期間は全てが新鮮で、毎日がドキドキワクワクでした。日本人は本当に恵まれてて幸せすぎると思いました。

Q ご出身は?沖縄への移住のきっかけは?

A 新潟県出身です。冬が寒くて、春は花粉が飛ぶ新潟は私には住みにくく、オーストラリア移住を考えたのですが、ビザなどの問題で断念。じゃあ暖かく雪の降らない国内はどこかな?と考えたら沖縄で、そんな事を考えていたら、たまたま親友が沖縄男性と結婚して沖縄で暮らすことになり、その親友に来沖を勧められ、試しに沖縄で職探しをしたらアレよアレよと話が決まり、そんなこんなで色々なタイミングが重なり2018年5月には沖縄へ移住していました。
 暮らし始めて2年が経ちましたが、私にとって沖縄はとても住みやすく大好きなので新潟に戻るつもりは全くありません。たまに帰省しても1週間くらいで沖縄が恋しくなり早く沖縄に戻りたいと思ってしまいます(笑)。

Q 沖縄での療養生活はいかがですか?

A 四季のはっきりある新潟と異なり、雪も降らず、花粉も飛ばず、比較的、寒暖差の少ない温暖な沖縄での生活は、寒さで関節が痛むことも少なく、体調の好不調の波も少ないので私にとって、とても快適で症状も安定しています。沖縄の方々ものんびりしていて優しいし、時間もゆったりと過ぎている感じがするのでストレスもなく、とても過ごしやすいです。
 新潟では寒くなると体調が安定せず、仕事も休みがちで周りに迷惑を掛ける事が多く長く勤めることが難しかったのですが、今は周りの方々のご理解のおかげで頑張っていけそうです。

Q 現在どのようなお仕事についていますか?

A 美ら島財団に在籍して、「なごアグリパーク」の中のスーパーファームと言う体験型温室で働いています。そこでは水耕栽培で育てたハーブの苗の対面販売や栽培管理、自分達で育てたハーブをアロマキャンドルやハーバリウムにして販売しています。お客さんと一緒にハーブやドライフラワーを使ってのワークショップもやっていて、色んな仕事ができるし、県内外、海外から来る色々なお客さんと触れ合え、とても楽しいです。
 今まで、接客は苦手だと避けてきたのですが、今回接客にも初挑戦させて頂き接客の楽しさを知ることができました。職場にはそのような経験をさせて頂いたことに感謝の気持ちでいっぱいです。時には外国のお客様と英語を使う機会もあるし、自然が好きで動植物が好きで、人と触れ合う事が好きなので今の仕事はとても楽しく、私にとってとてもやりがいのある仕事です。病気についても配慮して頂き本当に働きやすい環境です。
 自分で言うのも何ですが、私は本当に人に恵まれていると思います。そしていつも周りの人が助けてくれます。なので日々、心底感謝の気持ちでいっぱいです。そんな気持ちを忘れず、周りの人達を幸せに、アグリパークに来たお客さんが少しでも楽しい気持ち、幸せな気持ちになり、沖縄を好きになってもらえたらいいなぁ~との思いで日々働いています。

Q 最後に現在の心境・夢・生きがいは?

A いつもなかなか仕事が続かなかったので今の仕事は長く続けたいと思っています。職場の方達は本当に優しくて、私の働きやすい環境をいつも考えてくれるし、いつもたくさんの人達に支えられ、助けてもらっているので少しでも恩返しできたらと思っています。去年の12月から今の仕事に就いたのですが、もっと接客技術や英語力を磨き観光で訪れる県外や海外の方達に沖縄の魅力をたくさん伝えられたらいいなぁ。とか思います。
 夢は三線を持って世界をバックパッカーとして旅することです。

語者プロフィール

小黒 円(おぐろ まどか)さん 1978年新潟県生まれ
【好きな食べ物】漬け物(故郷のなす漬けが一番です)
【趣味】国際交流、料理
【現在ハマっていること】リハビリの一環で行なっている体幹トレーニング

  • ふるさと新潟の竹林でタケノコ堀り。

  • オーストラリアでコアラと記念撮影。

6月の報告あれこれ

研修会「医療的ケアが必要な方への電源確保方法の色々」を終えて


出口先生のオンライン講演時の様子

 去った6月13日にアンビシャス主催の研修会を開催しました。Web会議ツール『zoom』を活用した初のオンラインセミナーとなっており、県内外から多くの方々にご参加いただき、一部プログラムの変更もございましたが、実り多い研修会となり、スタッフ一同安堵しているところです。
 基調講演では岩手県北良株式会社社長の笠井健先生に「在宅医療の災害対策について」のお話をしていただきました。講演の中では笠井先生の体験から得られた災害対策のノウハウをはじめ、3000km無給油で走行可能な災害支援車両の開発や人工呼吸器と連動した安否確認システム『ANPY』といった最新のテクノロジーの紹介もあり、非常に興味深い内容となっておりました。
 また特別講演として、もとぶ野毛病院院長の出口宝先生に「災害時に電気自動車を電源として活用する方法の実際について」のお話をしていただきました。身近な資源である自動車を災害時に活用する発想は災害時の支援に有効に活かせる内容となっていました。また、出口先生は沖縄県の災害医療コーディネーターを務められており、台風が多い沖縄県の停電事情や将来の災害予測を踏まえた講演となっており、まさに明日から使える知識に富んでおりました。
 研修会当日は延べ104人の参加があり、関心の高さを実感しました。講師の先生方に寄せられたコメントも災害時に感じた困りごとの相談から、今後自分たちが災害において何をしていく必要があるのか聞きたいといった実際の災害を見越した質問まで、幅広い内容となっておりました。まさに災害を他人事ではなく、自分事としてとらえることができた研修であったかと思います。
 また、今回の研修会ではオンラインということもあり、申し込み者の約4割が県外の方となっておりました。コロナ禍を避けるためのオンライン研修会ではございましたが、県外の方々との交流という新しいメリットを生んだ試みとなったことが印象的です。
 今後も皆様のニーズに即した研修会を企画してまいりますので、皆様お気軽にお申し込み・ご参加ください。よろしくお願いいたします。

こころの現場から

ほんとうの意味で、自分らしい生き方ができるために、支援者ができること

鎌田依里

臨床心理士 鎌田 依里(かまだ えり)

 心理臨床の場でお会いする方に対して、臨床心理士は相談に訪れる方が自分らしく生きることができるようなお手伝いをします。目の前にいる方が、どのような想いで生きているかについて心身をかけて傾聴し、他の誰でもなく、その方自身が自分の人生に納得し生きることができるように寄り添っていきます。
 このようにお会いをしている中で、何か命にもかかわるような人生の重大な決定をする際にも、例えば父母からこのように言われたとか、夫のことを思うととか、妻がこう言うからできない等…、自分自身の気持ちを脇に置いて、自分の親しい人の意見や想いを尊重し決定してしまうことにしばしば出会います。
 もちろん臨床心理士であるわたしは、相談に来ている目の前の人が想いを整理できるように話を進めていきます。しかし、例えば本人自身のためではなく夫のためを思って本人が決定をした場合に、それが実はそのひとらしい生き方という場合もあり、これにはサポートする側にも大きな葛藤が生じます。
 人生に正解はないので、自分の人生についての決定において、相手の意思を尊重することが、ほんとうの意味でその人らしい生き方であるならば、よいのですが…難しいです。ただ、目の前にいる方自身が心底納得する生き方を選択できるようにお会いをするのです。
 この姿勢はピアサポートにおいてもとてもたいせつです。同じ病であったり似たような境遇にあったりする場合に、必要以上に共感をし、それがピアサポーター自身の願いなのか、家族の願いなのか、相談をしてくる方の願いなのかが混同されることがあります。相手がたとえ同じ病・境遇であっても、別の人格・人間であると意識しお会いすることが肝要です。

つぶやきチャンプルー

入院して実践できなかった事とは

照喜名通

著:照喜名通

 やはり、難病だったか。実は6月上旬から持病のクローン病の悪化で20日程入院していました。つい業務に追われ難病であることを忘れていました。日本人の小腸は通常6メートルあるのですが、私の場合は4回の手術で1.5メートルしか残っていません。その残った部分で極度に狭い場所があり、そこが膿をもってむくみ完全に詰まっていました。何らかの感染症も起因していたようで、連日39度後半の高熱に脱水症状も伴った状態での入院でしたが、抗生剤などの治療により無事退院することが出来ました。
 今後、極度に狭い部分が自然に広がることはなく外科的手術で狭い部分を取り除けば、食事をとることも可能になるし今回のようなことは起きにくくなります。しかし小腸の役割は栄養を吸収する事なので小腸が更に短くなると、どんなに食べても栄養を吸収することが出来ない体になってしまいます。超プラス思考の私が、小腸の手術をするという選択を考えただけでメンタルへのダメージは大きいものがありました。
 話せるし、歩けるし、目は見えるし、なにより生きているのだからそのことに感謝しています。さんざん、メンタルを平常に保つためにも「マインドフルネス瞑想を」と話していましたが、入院の間は各種検査が続き、筋力低下防止のリハビリなどが精いっぱいでした。 運よく改めて気づく機会を得たので、これからも感謝しつつ流れに身を任せてみます。

シリーズ 「患者学」第64回

オンライン診療で必要とされる患者力

慶応義塾大学看護医療学部 教授 加藤 眞三著

はじめに

 コロナパンデミックによりオンライン診療が注目されてきています。そのわけは、多くの患者さんが病院や診療所を訪れることに不安を感じたからです。病気を治してもらいに医療機関を受診するのに、そこでコロナウイルスに感染してしまったら大変と考えるのは当たり前のことです。コロナパンデミックをきっかけにオンライン診療の時代が訪れようとしているのです。

オンライン診療では

 オンライン診療は、患者さんが自宅でパソコンやタブレット、あるいはスマホをとおして受診し、処方を受けるというものです。当然、医師は身体を診察することはできませんし、医療機関でしか行えない検査はできません。そして、身体的所見や検査所見を用いずに診察し判断し、治療するわけですから、見落としや誤診の危険性があります。そこで、オンライン診療を受けるためには、患者さんの力も必要となるのです。

わが国でのオンライン診療の歴史

 オンライン診療の始まりは遠隔診療と呼ばれるものでした。無医村や離島など僻地の医療で医師がいなくてもインターネットを通して行うものです。当初は、一般診療医が専門医に相談するなどで使われ始め、現在では医師が直接患者の診察にもあたることが認められています。
 わが国では、1997年に情報通信機器をもちいた診療(いわゆる遠隔診療)についての通知が厚生省(当時)より出され、幕開けとなりましたが、それ程普及したわけではありませんでした。初診や急性疾患の診療では認められず、慢性疾患で診療を続けてきた患者で安定している人、離島や僻地で対面診療が困難な人にのみ認められるものとされたからです。
 その後の情報通信機器の発達により個人がパソコンやタブレット、スマホでテレビ会話ができることが当たり前となってきたため、2015年には患者の要望に応じて適切に対面診療と組み合わせることにより遠隔診療が可能であるとする事務連絡が厚労省よりだされました。さらに、2018年3月には「オンライン診療の適切な実施に関する指針」が厚労省よりだされ本格的なオンライン診療の時代を迎えたのです。
 2020年のコロナパンデミックを契機に一時的にではありますが、初診でもオンライン診療を可能とすることが認められ、患者の側からもオンライン診療を求める声が大きくなってきたのです。

どんな病気が対象となるのか

オンライン診療では身体診察や検査ができません。したがって、ある程度診断が確立しており、状態が安定している慢性病の患者さんが一番よい対象となります。自宅で血圧が測定できる高血圧や自宅で血糖もモニターできる糖尿病などは、対面診療とオンライン診療が適度に組み合わされると患者さんにとっても便利でしょう。
また、花粉症や慢性胃炎、過敏性大腸症候群などで薬を処方してもらうことも良い適応になると思います。難病であっても、診断が確定し投薬により症状が安定している時期であれば、オンライン診療と対面診療の組み合わせが可能ではないかと思います。

患者力が必要とされるオンライン診療

しかし、そんな時に大切なのが身体の自己管理と体調の変化や薬の副作用のチェックです。それらを患者さんが言葉にだして医師に訴えることにより、より安全な診療が可能となります。もちろん、必要以上に神経質になることはありませんが、自分が服用している薬の主な副作用などは知っておいたほうが良いでしょう。
患者と医療者が協働でおこなう医療がオンライン診療では求められることになります。混んでいる外来へ行って長い時間待たなくてすむというだけではなく、適度の組み合わせでよりきめの細かい診療が可能となるのではないでしょうか。

加藤先生の YouTube配信中です!
「Dr.シンゾウの市民のための患者学」

慶応義塾大学看護医療学部
教授 加藤 眞三
1980年、慶應義塾大学医学部卒業。1985年、同大学大学院医学研究科修了、医学博士。
1985~88年、米国ニューヨーク市立大学マウントサイナイ医学部研究員。
その後、都立広尾病院内科医長、慶應義塾大学医学部内科専任講師(消化器内科)を経て、現在、慶應義塾大学看護医療学部教授(慢性病態学、終末期病態学担当)。

加藤先生の最新書籍がこの冬発売!(2019年12月4日発売予定)
肝臓専門医が教える病気になる飲み方、ならない飲み方
出版社: ビジネス社

各患者団体からのおたより

ギラン・バレー症候群 交流会より
「コロナ禍の中、感染拡大予防の工夫について」


新型コロナの影響が未だなかった昨年末の交流会の様子

 初めまして!ギラン・バレー症候群の患者の集いの場を開催している山川と申します。実はまだ正式な会の名前も無い、ピヨピヨの患者会です。とは言っても、去年の8月に初めて交流会を開いてからこの記事が掲載される頃には1年を迎えようとしています。
 本会はギラン・バレー症候群やそれと同様の疾患であるCIDPやフィッシャー症候群、MMNを患った方々の集いの場です。同様の経験をした患者本人やご家族、あるいは担当の医療関係者などの情報交換の場として、毎月最終日曜日の午後2時から5時にホテルのラウンジや喫茶店で交流会と称して集まっています。また、現在それらの病気にかかりつらい思いをされている方や周りのご家族にたいしても、同様の病気を経験した者として話を聞いたり情報を提供する活動も行っています。
 コロナ禍でなかなか動きが取れない昨今ですが、5月に入ってから沖縄では新規の感染者が出ていないことから、5月後半に交流会を再開しました。時期尚早だとも思いましたが、弊会は参加人数もまだ少なく、マスクの着用やソーシャルディスタンスを保つなどの対策を取りつつ交流会を行いました。本会も連携をとっている東京のギラン・バレー症候群患者の会(https://sites.google.com/site/gbskanjyanokai/)においてはオンラインでの交流会も行っています。

※人口10万人に年間で1~2人ほどがかかるとされる難病で、県内でも年間で20人前後は発症しているのではないかと思われます。私もそうでしたが、「治る病気」と言われても、退院後どういう生活になるのかなど不安でいっぱいの患者さんがそれだけいることになります。もし、そういう方がいましたら、弊会のことを周知していただければと思います。

アンビシャス広場

今月のおくすり箱

いざという時のための「救急箱」の中身は?

沖縄県薬剤師会 吉田 典子

 皆さんのご家庭では、救急箱を備えていますか?救急箱は、急なけがや病気の時、災害時などにいつでも持ち運べるように準備しておくと大変便利です。救急箱の中には体温計、絆創膏(傷テープ)、ガーゼ、包帯、ハサミ、テープなどの医療材料、医薬品としてはやけどなどに使用する軟膏、かゆみ止め、痛み止め、風邪薬や解熱剤、整腸剤などを揃えておくと、いざという時の助けになります。
 擦り傷などに使用されていた消毒剤は、最近ではあまり使わず、傷口を流水できれいに洗い流してから湿潤療法を目的とした絆創膏を使用すると、傷跡が残りにくいとされています。また、救急箱に入れるものとして注意しておきたいのが開封後の湿布薬です。湿布薬中の芳香成分などが点眼薬などのプラスチック容器を透過し、薬液中に入って点眼時に刺激を感じることがあります。開封後の湿布薬と目薬は一緒に保管しないようにしましょう。
 救急箱は必要時にすぐに使用できるよう家族がわかるところに保管し、期限切れや不足薬の補充など定期的にチェックしておきましょう。

~エッセイ~ 「私にとってALSとは」 浦崎 綾乃さん(ALS)

 ALSになってよかったなんて思うことはありません、しかし重度障害をもったから分かったことや得られたこともあります。
 それを踏まえて、私にとってALSは人生観を変えた大きな物出来事です。
 人からの質問で「どうやって病気を受け入れたのですか?」と問われることがありますが、私は病気を受け入れているかどうかは分かりません。
 ALSは進行しきってしまうと自発呼吸も出来ず、身体を動かす事や表情も変えることが出来なくなり蠟人形のようになってしまいます。そう、自分の身体の中に閉じ込められてしまうのです。外見だけで判断されると、病気で可哀想な人となってしまうと思います。
 しかし私の感覚や意識、思考は損なわれることはありません、病気は私の全てではなく、ひとつの側面でしかないのです。

お勧め映画情報

邦画から3作品

1)初恋~お父さん、チビがいなくなりました
老夫婦の日常で、すれ違いが起きて…倍賞千恵子、藤竜也が映画初共演で夫婦を演じる。

2)長いお別れ
年老いた両親を思う姉妹に、蒼井優と竹内結子。著者、中島京子の経験をもとにフィクション作品。

3)こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話
筋ジス患者とボランティアたちの実話である。大泉洋、高畑充希、三浦春馬、萩原聖人ら共演。

5件の連続絞殺事件があり、迷宮入りとなった。当時(事件)の時効成立後に、犯人を名乗る男が、堂々と告白本を出版し、世間の注目を集める。
出演は、藤原竜也、伊藤英明、野村周平、仲村トオルなど。
韓国映画『殺人の告白』のリメイク作品である。見ごたえもあり、とても面白かった。

★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
・・・カラーセラピーやパワーストーンも好きで、時々、ネットで見てます。

今月の占い

  • 牡羊座 3/21-4/19
    思いやりを持って接して
    ☆リフレッシュ法:買い物
  • 牡牛座 4/20-5/20
    無理せず休息を取って
    ☆リフレッシュ法:ドライブ
  • 双子座 5/21-6/21
    マナーに気をつけて
    ☆リフレッシュ法:断捨離
  • 蟹座 6/22-7/22
    食事をキチンと摂ろう
    ☆リフレッシュ法:掃除
  • 獅子座 7/23-8/22
    軽い運動で体を軽く
    ☆リフレッシュ法:飲食
  • 乙女座 8/23-9/22
    モラルのある行動を
    ☆リフレッシュ法:読書
  • 天秤座 9/23-10/23
    人の振り見て我が振り直せ
    ☆リフレッシュ法:電話
  • 蠍座 10/24-11/21
    自分を疑うよりも信じて
    ☆リフレッシュ法:カラオケ
  • 射手座 11/22-12/21
    ポジティブ思考で明るく
    ☆リフレッシュ法:仮眠
  • 山羊座 12/22-1/19
    感謝の気持ちを持って
    ☆リフレッシュ法:映画鑑賞
  • 水瓶座 1/20-2/18
    挨拶で雰囲気を良くしよう
    ☆リフレッシュ法:ストレッチ
  • 魚座 2/19-3/20
    スイッチを切り替え柔軟に
    ☆リフレッシュ法:音楽鑑賞

編集後記

 集中豪雨により熊本を中心とした九州地方で大災害が起きてしまいました。被災された皆様に心よりお見舞い申しあげます。また少し収まったかに見えた新型コロナも感染者が増えてきています。
 危ないと思ったらすぐ避難する、3密を避けマスクをする等、自分で出来る事は自分で備えつつも個人の力を超えた事には躊躇なく、周りの人や公共機関を頼りましょう。差し迫った時の遠慮は命取りです。
 さて今月の「表紙は語る」は先天性副腎皮質酵素欠損症の小黒 円さんにQ&A方式で体験談をお寄せいただきました。オーストラリアでのワーキングホリデーで視野が広がり、ご自身の療養生活のために冬でも暖かい沖縄に引っ越し、お仕事も順調にいっている様子などユニークなご体験が披露されました。
 アンビシャスではご自身の病状や小児慢性疾患のご家族からの体験談を募集しています。詳細については事務局:仲村までお問合せください。

※ご執筆者には心ばかりですが、ご執筆料として1万円をご進呈します。ご連絡をお待ちしています。

文 仲村明