1. 難病情報誌 アンビシャス 239号

難病情報誌 アンビシャス 239号

最終更新日:2022年04月01日

表紙は語る

辛い時ほど、「ありがとう」を言おう「諦めるな」そして何よりも「焦るな」

古川 博行(ふるかわ ひろゆき)さん
バージャー病

 皆さんこんにちは、僕は指定難病47「バージャー病」の患者です。別名ビュルガー病とも呼ばれているようです。令和3年5月にこの病気と診断されました。全国では7千人程しか確認されてなく、一般の方にも医療関係者にもあまり理解されていない病気なのです。
 私の知るころでは患者のほとんどが喫煙者で、歯周病のある40代の男性が大半とされています。原因は不明ですが手足の末梢血管の炎症から毛細血管まで血液が回らず低酸素状態になり、重症化すると手足の切断を招く怖い病気です。そのバージャー病になった僕の体験談です。
 僕は生まれも育ちも名古屋です。発症前の仕事は東北の雪国で、冬は痛みを感じる程の寒さで仕事が終わると温泉で身体を温める、そんな生活を送っていました。
 その様な暮らしの中、夜中に足の指先に激痛が走り何度も飛び起きるけど朝には治っている、そんな不思議なことが続きました。日中は仕事が出来るので骨の異常ではないとは判断するも、あまりにも痛く周りには「痛風発作じゃないか」と言われましたが、東北の病院では原因が掴めず名古屋に戻り色々な検査をしました。
 CT、MRIレントゲン、血液検査、動脈硬化等色々と検査をしましたが、ここでも原因が掴めず病院をたらい回しにされ解決しませんでした。その頃には一日中激痛が襲い、車いす生活となっていました。指先は凍りつく様な冷たさ、家のトイレにも歩いて行けなくなり、腕は幸いにも動くので恥ずかしい話、用を足すときは倒れても大丈夫なようにキッチンの下に布団を引き、キッチンにしがみつき腕の力で身体を持ち上げてトイレにたどり着くという感じです。激痛が一日中続くので睡眠も勿論とれません。
 その様に激痛が続く中、親友と二人で日本列島治療の旅に出ました。向かった先の九州でも原因不明で行く先々の病院をたらい回し。こんなに激しく身体からSOS信号が出ているのに、異変がない訳ないのに、誰も僕の病気が何なのか分からないのは本当に辛かったです。
 足は激痛を飛び超え爆痛!!尋常ではない程の痛みが足先を襲い、その激しい痛みに耐えられず、夜中に暗闇の中ライターの火を足に当て火傷の痛みでごまかさないと、とても耐えられなかったのです。足の爪もぶっ飛び、いよいよ最後かなと思っていた頃、根拠もなく気持ちは「沖縄」に向いていて親友と二人で家もない、仕事も出来ないの、ないない尽くしのまま沖縄に渡りました。
 今までは落胆ばかりで無駄に思えた治療の旅がここで実を結びました。県立北部病院さんの対応は早かったです。瀕死の状態だった今までの僕のデータを取り寄せ、その資料を基に各医師たちが集まり「バージャー病」という病名に辿りつきました。自分の病気にちゃんとした病名が付いた時は正直ホッとしました。
 この病気は薬物療法か手術の2択だと言われました。薬物療法なら毛細血管を拡げる薬と血液をサラサラにする薬で治るか治らないかは五分五分とのこと。一方手術は神経ブロックどころか、神経爆破で痛みは無くなるけどリスクも大きいですよと言われました。そこで僕は治るか治らないか分からないけど薬物療法を選びました。
 その選択が功を奏し、始めてから4ヶ月くらいでトイレは勿論、買い物位なら自分の足で歩くことが可能になりました。今回、会報誌『アンビシャス』の体験談を引き受けたのも、多くの方にバージャー病を理解して頂き、早期発見さえできれば僕の様に死んだ方が楽と思える程の痛みを経験しなくて済む。そんな方が一人でも増えてくれればと思ったからです。原因不明の上に対策なし、では本当に辛いですから。
 残念なことに沖縄まで二人で渡ってきた親友も、僕が負担をかけ過ぎてしまい、いつの間にか僕から離れ音信不通になってしまいました。元々家族もいないし、全く知り合いもいない知らない土地での療養生活。そんな状況の中で僕は本当の意味で一人ぼっちになりました。
 今は話し相手もいないし、言葉や笑顔も忘れてしまいそうになりますが、地元名古屋に一人だけ僕の事を気に留めてくれる方もいるので、やっぱり病人でもプライドはあるし(ちんけなプライドですが)、情けない顔は見せたくないのです。
 その様な中、沖縄のゲストハウスで間接的にお会いし、お世話になったスピリチュアル・カウンセラーの方から良い言葉をいただきました。その方が言うには「辛い時ほど、ありがとう」を言おうというのです。はじめは本当に辛いので無理言うなと思いましたが、その言葉を少なからず僕を遠くから応援し、見守っている方たちに送りたいと思います。
 そして僕が今心掛けている「くじけない・笑え・感謝・腐るな・恨むな・諦めるな」という言葉を加えて頑張っています。中でも「焦るな」「安静にしていなさい」という言葉が一番苦手で(笑)難病なのですぐには無理ですが「焦るな」は大切ですね!
 このバージャー病という特別な病気になったお蔭で人間的にはふた皮くらい剥けて成長できたかなと思っています。
 だからこの体験は「海がくれたプレゼント」と僕は思っています。バージャー病は難病なんだから、まず治らないけど、如何にこの病気や障がいと付き合うかが肝になると思います。
 病人だからといって、いかにも病人らしくしていると負の連鎖を産むので、たった一人でも「笑顔」で過ごしたいと思います。病気そのものは自分自身に起こっている事なので「受け入れて楽しむ」ほかない!!最後には本当の意味で笑える様に…。
 今でも15分歩くと足が麻痺するので15分休み、回復したら再び15分。
 それの繰り返しの人生。まぁ負けないですよ!

語者プロフィール

古川 博行(ふるかわ ひろゆき)さん
1978年 名古屋市生まれ
【趣味】ギター・革細工・釣り
【コレクション】革ジャン
【好きな音楽】ロックンロール
【好きな作家】西野 亮廣

  • 大好きな沖縄の海!癒しの場としても、釣りの場としても最高です!

  • 趣味で作った革細工。

2022年2月の報告あれこれ

オーケストラの指揮者体験

 昨年12月に開催された、文化庁主催の琉球フィルハーモニックオーケストラによる「美らサウンズコンサート2021inうるま市」についての反省会が2月6日にありました。
 「美らサウンズコンサート」とは障がい者と文化芸術による共生社会の推進事業の一環として行われるもので、障がいをお持ちの方がクラシック音楽に親しんでもらい、車椅子やストレッチャーでゆったり鑑賞、からだいっぱいに音楽を感じて楽しんでいただけるコンサートです。
 今回のコンサートでは、難病により日常生活で外出が困難な方をオンライン上でお迎えし、本物のオーケストラの指揮を体験していただくというコーナーがあり、保健所の保健師さんから「普段から外出はできないが、音楽が大好き」という難病の方を紹介してもらいました。紹介された方はリハーサルまで進みましたが、本番のときに体調が急変したらオーケストラの皆さんに迷惑をかけると辞退されたため、本番では急きょ照喜名が代わりに指揮をすることになりました。オンラインで時差もあり課題も残りましたが、今後、障がいや難病を抱えながらもバリアがなくなるような試みを模索していくことになりそうです。

RDD 2022 in OKINAWA

 世界希少・難治性疾患の日(Rare Disease Day 略称RDD)とは、毎年一年で一番日数の少ない2月末日に、希少・難治性疾患を抱える人々の生活の質の向上を目指して難病に関する啓発活動や患者同士の連携を築く世界的な取り組みです。
 沖縄では2月26日(土)に「気持ちや制度は、どうしたら私達にとどくのか」をキーワードに昨年に引き続きZoomを使用したオンラインで開催しました。午前10時から午後4時20分と長丁場でしたが、延べ人数で169名の方に参加して頂きました。
 午前の第1部は障害年金制度について、社会保険労務士・行政書士の大城 恒彦氏を講師に障害年金の基礎知識から難病患者の具体的事例等について分かりやすく説明をして頂きました。年金申請の起算日について、確定診断がついた日ではなく、身体の異変を感じ最初に診察した日が起算日であることを何度も強調してお話しされたのが印象に残りました。
 午後はパネルを中心にRDDの歴史や活動などの紹介の後、第2部入力スイッチと意思伝達装置ファインチャットをアクセスエール株式会社の松尾光晴氏、第3部を意思伝達装置・指伝話について有限会社 オフィス結アジアの高橋宜盟氏を講師にお招きしコミュニケーション支援の講演をして頂きました。松尾氏からは意思伝達装置本体もさることながら、それを動かすスイッチが利用者の状況に適合したものかどうか、スイッチが使えないではなく、その方が使える部位を探す工夫をしているかどうかが重要だとお話しされていました。また沖縄での紹介は初めてとなるiPadを使用したコミュニケーション支援機器「指伝話」はキャッチコピーの「これは機械ではありません。機会です。」というように利用者の必要性や関心の方向により、世界がどんどん広がる可能性を秘めた機器だと感じました。
 3つの講演とも出入り自由ということもあり、参加者の方の予定やニーズに合わせ多くの方に参加して頂きました。
 ご参加の皆様に心より感謝申し上げます。

こころの現場から

主観的な違和感

鎌田依里

臨床心理士 鎌田 依里(かまだ えり)

 難病を抱えていてもいなくても、人間の身体は不思議なもので、自分の身体に違和を感じることがあります。現代の西洋医学においては、診断基準が明確化され「この数値以上であれば治療が必要」等といった方針となっているようです。したがって、自分が身体に違和を感じたとしても、それが医学的な基準において「治療が必要ない」とされる数値であれば、「問題ない」と言われます。
 もちろん、わたし自身も現代医学の恩恵を存分に賜っていることを実感しているので文句を言うつもりは全くありません。ただ、例えば、「疲労感」は数値で測ることはできないので(主観的な疲れを0から10のスケールで訴えることは可能ですが)、診断がつかなければ「怠け」と誤解されることも多々あります。また、「息苦しさ」については酸素飽和度が96だったとしても「医学的には95以上あるから問題ない」となります。酸素飽和度が99(正常値)である状態と、医学的には「正常」でも96とでは、本人が感じている呼吸の苦しさは大きく異なるのですが、それはあくまでも本人の主観的な違和感として捉えられているようです。また同様に、「痛み」も主観的なものとして捉えられることが多いです。本人が我慢できる痛みであれば鎮痛剤は服用しなくてもよいですが、「痛み」が緩和されることによって生活の質が高まると考えられているので、鎮痛剤が役立っています。しかしながらこれも主観的な違和感をもとに対応されています。
 我々が話を聴く際には、話し手の主観のみに囚われず、また医学的な基準のみにも囚われず、その主観と客観の「間」にあるスペクトラム(グラデーション)で柔軟に傾聴できたらよいかと思います。

つぶやきチャンプルー

言われたことをやっているだけですけど、なにか問題でも。

照喜名通

著:照喜名通

 世の中、争いが絶えないのは人類がまだ悪事を完全に取り締まる警察機能がなく、その罪を罰する法律に抜け道があるのかも知れません。とはいえ警察や法律が完璧でも争いや犯罪が無くなる事はないのですが、抑止効果はあると思います。
 ドイツ出身でユダヤ人の現代哲学者のハンナ・アーレントは、第二次世界大戦でユダヤ人虐殺計画を指揮したナチス親衛隊の中佐で、後に処刑されたアイヒマンの裁判での姿が、ふてぶてしい大悪人ではなく、普通の気の弱そうな人物であり、「命令に従っただけ」と無実を主張したことから、ハンナ・アーレントは『ナチは私たち自身のように人間である。悪とは、システムを無批判に受け入れることである。さらにユダヤ人にも同様な人はいた。』と発言したため、被害者であるユダヤ人や世界中から非難をされました。ハンナは根本的な予防を唱えたのですが、感情的になっている被害者や世間は復讐や罰則を求めたのです。正論を発言するにはタイミングが早すぎたようです。
 ハンナは後に、「労働=食べるだけの行為、仕事=クリエイティブな自己表現、活動=公共のための行為」とし、労働だけでは言われたことだけで考えることをしないのは悪としています。医療や福祉、経営や政治は労働だけになっていないか見直したいと思います。

シリーズ 「患者学」第84回

声を出すことの大切さ
その2 ボイストレーニングを受けてみる

慶應義塾大学 名誉教授 加藤 眞三著

ボイストレーナーMinnie P先生

 わたくしのボイス・トレーニングの先生は、ウイングスミュージックのMinnie P氏です。プロ歌手やプロ歌手になるためにボイス・トレーニングを行っているだけではなく、作曲やプロデュースも手がけているという素晴らしい先生でした。
 目(網膜)の難病を若い頃から抱えており一人で歩くことが難しい程なのですが、それでも自分の得意なことを生かしウイングスミュージックというボイストレーニングの会社を立ち上げ、25年以上も続けられているのです。どんなときでもポジティブに物事をとらえ、にこやかにされている難病の患者のモデルとしても素晴らしい人です。
 わたしが生徒になった後の出来事ですが、集英社インターナショナルより「声を磨けば人生が変わる」という本を出版され、テレビ番組「タモリ倶楽部」でタモリさんにボイス・トレーニングを行ったり、ビートたけしさんにも番組「はじめてのたけし」で教えるなど、Minnie先生はわが国でもトップクラスのボイス・トレーナーです。

ボイストレーニングを受けてみて

 声を出すことは、人間の活動の中でも、とても大切なものであるにもかかわらず、その指導を受ける機会は少ないのが現状です。しかし、トレーニングを受けはじめると、最初2オクターブ弱であった音域が、徐々に拡がりはじめ、結果として4オクターブ以上にまで広がったのです。
 不思議なもので、「これ以上高い声は出せませんから」などと弱音をはいても「いや、きっと出ますよ」「実際にはでていなくても、心の中でその音を出していると思って口を開けてみるだけで良いのです」などと、言われながら練習していると、一音ずつでも音域が広がり倍以上になっていたのです。「豚もおだてりゃ木に登る」といいますが、おだてられながらトレーニングを受けている間に、音域がぐんと広がったのです。自分で自分の限界を決めてしまっていたことに気がつかされました。
 また、喉に力が入りすぎていると良い声が出せないのですが、いくら「力を抜いて」といわれても、わたし達はその力の抜き方が解らないのです。ところが、Minnie先生は他の部分に力を入れることに意識を向けるための適切な言葉がけにより体験的に喉の力をぬく方法を教えてくれました。
 同様のことは、テニススクールでもあり「力を抜いてストロークを」といわれても、中々それができないのですが、ベテランのコーチはその人にあった声がけをしてくれることにより力の抜き方を教えてくれるのです。技能教育とは、どういう声がけをするとこの生徒はどう変わるかを経験的に知った上で行われるものであることを、わたしは体験として知ることができました。

ボイストレーニングの効果

 さて、このようなボイストレーニングを受け始めて3年も経った時、久しぶりに参加した研究会で司会をする機会がありました。その時、会場に参加していたAさんから「加藤先生の声がとても聞こえやすくなった」と言われたのです。Aさんは、わたしがボイストレーニングを受けているということを知っているのではなく、そんなことをわざわざ言いに来てくれたのは、わたしの声に余程の変化があったのだろうかと思いました。
 音域が広がっていることは、客観的にもわかることで自覚していましたが、話し声が聴きやすいかどうかというのは主観的な問題であり、数値にはあらわしにくく、自分でもよく解りませんでした。わたしの話し言葉を聴いた人から、そのことを教えてもらえてうれしかったです。音域が広がると、単に高い音や低い音が出るようになるというだけではなく、普段話す音程の声にも質的な変化をもたらすのです。
 わたしは、教師や政治家、あるいは会社の社長など、声を出して知識を伝授したり、政策をうったえる、会社の方針を伝えるなど、対人関係を中心として職業を持つ人にとってボイストレーニングを受けることは必須ではないかと最近は考えています。

参考図書
山口周 『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?経営における「アート」と「サイエンス」』、 光文社新書
『名門大学の医学部が「絵画鑑賞」や「ダンス」を必修科目にする理由』 Courrier Japon

慶応義塾大学看護医療学部
教授 加藤 眞三
慶應義塾大学名誉教授。上智大学グリーフケア研究所研究員。
患者と医療者の協働関係を作り上げることをテーマに公開講座「患者学」や著作 等を通じ、患者も自ら積極的に医療に参加する啓発活動に取り組む。

東洋経済オンラインに加藤先生による「市民のための患者学」連載配信中!
http://toyokeizai.net/articles/-/143366
加藤先生の最新書籍:肝臓専門医が教える病気になる飲み方、ならない飲み方
出版社:ビジネス社

アンビシャスからのおたより

オンライン患者交流会のご案内

 アンビシャスでは毎月、難病を持つ方の気軽な語らいの場として「オンライン患者交流会」を開催しています。
 沖縄県内の当事者の方でパソコン、スマートフォン等でZoom参加の出来る方の参加をお待ちしています。
 患者会がなく交流の場が欲しい、他の難病の方のお話も聞いてみたい、遠方のため参加できない、コロナ禍で患者交流会が無くなり交流の場を探していた方などの参加を募っています。気楽な会ですのであなたも会話の輪に加わりませんか。
 交流会は毎月第3水曜日14時~15時を予定しています。変更がある場合は当誌又はホームページ等でご案内いたします。

今月のオンライン交流会は4月20日(水)14:00~15:00です。
お問合せ先:沖縄県難病相談支援センター(認定NPO法人アンビシャス)
電話:098-951-0567
メール:info@ambitious.or.jp

※スマートフォン・パソコンはあるがZoomの使い方が分からない方も、お気軽に上記連絡先までご相談ください。スタッフが接続の仕方をお手伝い致します。

アンビシャス広場

今月のおくすり箱

漢方薬の服用方法と服用時間

沖縄県薬剤師会 吉田 典子

 漢方薬には大きく分けて「煎じ薬」と煎じ薬を粒状、粉末にした「エキス製剤」があります。保管や携帯がしやすいため、「エキス製剤」が一般的に流通しています。漢方薬は独特な匂いと味そのものが効果を高めるとされ、エキス製剤はお湯に溶かして服用する事で本来の効果が得られるとも言われています。味が気になる方は、あらかじめ水または白湯(さゆ)を口に含んでから漢方薬をその上に落として一気に飲むと飲みやすくなります。
 漢方薬を飲むタイミングについては、通常は食前あるいは食間等、胃に食物がないときに服用します。風邪の引き始めに飲む葛根湯等に含まれる麻黄は胃もたれを生じることがあるため、食後指示の場合もあります。薬は定期的に服用することが大切なので、指示通りの服用が難しい場合には薬剤師にご相談ください。
 また、漢方薬は長期に飲まないと効き目がないと思われがちですが、体質や症状によって効果の服用期間が異なります。多くは1週間から2週間で何らかの効果を実感していただけますが、こむらがえりに効く芍薬甘草湯は速い方で服用後10分程度で効果が現れます。

~エッセイ~ 「ALSの不動な身体 ~全身と顔(表情筋)~」 浦崎 綾乃さん(ALS)

皆さんは、全身が動かせないのと、表情が無い状態どちらが辛いと思いますか?

私の現状は、全身を動かせずに表情を変えることができない状態です。
そうですね、蝋人形になったような感じです。私がなりたくなかった状態です。
でもこの病気は容赦なく私から、動きを奪っていき、いまは末期の状態です。

さて、始めに皆さんに質問をした
皆さんは、全身が動かせないのと、表情が無い状態どちらが辛いと思いますか?

私の解答は、どちらも辛いのですが、もしも一つだけ動かせる所を選べるのなら、私は迷わずに顔(表情筋)を選びます。
理由は表情がある方が、コミュニケーションを取りやすく、蝋人形みたいにはならないからです。
私は、皆さんの言いたい事を理解できます。
しかし表情を変えて反応することは出来ませんが、皆さんが変わらずに、話をしてくれるだけで嬉しいです。

お勧め映画情報

1)お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方/2021年
人生100年時代という時代。定年退職後の夫、その妻。離婚危機になったり、就活の話にもなり…。仕事や子育てが一段落した熟年夫婦の騒動を描くヒューマンコメディ。
出演は橋爪功、高畑淳子、剛力彩芽など

2)大コメ騒動/2021年
102年前の「米騒動」に基づきそこで活躍した女性たちを描く痛快エンタテインメント作品。
「釣りバカ日誌」の本木克英監督による作品。
出演は、井上真央、三浦貴大、夏木マリ、立川志の輔

★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
・・・カラーセラピーやパワーストーンも好きで、時々、ネットで見てます。

今月の占い

  • 牡羊座 3/21-4/19
    心と時間の余裕を
    ☆リフレッシュ法:睡眠
  • 牡牛座 4/20-5/20
    自分にご褒美を
    ☆リフレッシュ法:オシャレ
  • 双子座 5/21-6/21
    諦める前に熟考
    ☆リフレッシュ法:読書
  • 蟹座 6/22-7/22
    遊び心で集中力
    ☆リフレッシュ法:ゲーム類
  • 獅子座 7/23-8/22
    楽しい事に目を向けて
    ☆リフレッシュ法:ネット観覧
  • 乙女座 8/23-9/22
    お礼は心配りと礼儀
    ☆リフレッシュ法:仮眠
  • 天秤座 9/23-10/23
    早寝早起きで健康に
    ☆リフレッシュ法:料理
  • 蠍座 10/24-11/21
    聞き上手に徹してみて
    ☆リフレッシュ法:ドライブ
  • 射手座 11/22-12/21
    助言に耳を傾けて
    ☆リフレッシュ法:映画鑑賞
  • 山羊座 12/22-1/19
    身も周りも整理整頓
    ☆リフレッシュ法:掃除
  • 水瓶座 1/20-2/18
    思いやりを持って
    ☆リフレッシュ法:音楽鑑賞
  • 魚座 2/19-3/20
    自然と触れ合う時間を
    ☆リフレッシュ法:お風呂

編集後記

 未だに続くコロナ禍で停滞気味の社会状況に加え、世界情勢も緊迫してきました。「ぬちどぅたから(命どぅ宝)」この言葉をかみしめながら世界平和を切に願うばかりです。
 さて今月の「表紙は語る」は難病の中でも希少で本誌でも初めて取り上げるバージャー病の古川さんに貴重な体験を語っていただきました。
 どんどん病状が進行する中、原因はおろか病名さえ分からず不安が募る毎日、激痛の中、何とはなしに訪れた沖縄でバージャー病と診断され、その後の治療の効果もあり痛みが緩和された経験を綴って頂きました。希少難病なだけに自身と同じ苦しみを覚えない様にこの体験談を見た方が早くいい治療に結びつくことを願い寄稿されました。一人でも多くの同病の方の目にとまることを祈っています。
 話は変わりますが、アンビシャスでは公式LINEを開設しました。毎月の当誌をはじめ、勉強会等の各種イベントやお役立ち情報をタイムリーにお知らせします。是非ご利用ください。
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文 仲村明