1. 難病情報誌 アンビシャス 262号

難病情報誌 アンビシャス 262号

最終更新日:2024年03月01日

表紙は語る

病気になった事を嘆くのではなく、ALSについて伝える
立場で頑張っていきたい。~心に明るい未来を描いて~

仲宗根 真一(なかそね しんいち)さん
ALS(筋萎縮性側索硬化症)

Q:発症当時について教えてください。

A:2022年の2月、左手に力が入りにくくなり、最初のころはただの腱鞘炎かと思いました。
もともと腰が悪くて、1年に1度は、家の近くの整形外科に行って、1週間に2回けん引してもらっていました。腰は、それまでは1カ月では良くなるので、甘く考えていて、首のけん引も1週間に2回引っ張れば1カ月で良くなるだろうと思っていましたが、状態があまり良くならないので、改めて大きな病院を紹介してもらいました。その後、紹介状を携えて受診し、レントゲンとMRIを撮り直しました。
 そこでは「頚椎症性脊髄症」と診断されました。初めて診断が出ましたが、私の頚椎症は首の後ろじゃなく、前の部分の骨が歪んでいると言われ、2022年9月、頸椎の手術をしました。

Q:その後ALSと診断されるまでについて教えてください。

A:診断されるまで、1年3カ月も分かりませんでした。頸椎の手術をしましたが良くならず、余計に両手、両足、それからしゃべることも呂律も回らなくなってきました。2023年2月になっても3月になっても良くならないので、改めて病院にリハビリのために入院しました。それでも原因が分からず、4月に市立病院に転院となりました。2023年4月20日、市立病院の主治医の先生に「家族のみんなを呼んでください。」と言われ、その時初めて難病指定のALSと診断されました。

Q:その時の心境についてお聞かせいただけますか。

A:最初に診断されたとき、2つのことが頭に浮かびました。1つは、家族に迷惑をかけたくないこと。もう一つは、コロナの間3年間がんばって耐えてきた自分の飲食店を、閉めなくてはいけないなと。コロナ禍が収束して「さあこれから!」というときにALSと診断されてしまいました。

Q:川崎で経営されてきたお店についてお聞かせください。

A:私のお店は、飲食を提供しているだけではなく、沖縄の音楽やお笑いを楽しみながら食事をして頂けるのが特徴です。
 沖縄にいる頃は沖縄の文化や音楽に興味は無くて、地元を離れて改めて沖縄の良さに気づき、それを自分の店を通じて伝えたいと思いお店を出しました。
 実は自分自身も、大学の時にバンドを組んで、BOØWYのコピーやオリジナル曲を作ってライブ活動をしていました。

Q:そんな大切なお店を閉めようかと考えた、その時の心境について教えてください。

A:もともとは頚椎症と思っていたので、手術をして3カ月で戻って来れると考えていました。アルバイトのスタッフには入院している間、お店のことを任せるため、掃除やお金のこと、スタッフの管理や、そばの出汁の取り方を教えました。でも、結局は頚椎症ではなくてALSだったので、お店に戻ることは叶いませんでした。本当に「悔しい」の一言です。これからは、この病気になってしまった事を嘆くのではなく、このALSの事を、私の周りのみんなに伝えていきたいです。正直、最初に入院した病院の私の主治医の先生でさえ、ALSのことを何もわかっていませんでした。
 ALSという病気は、病院の先生たちさえも分からない病気だと思うので、みんなにもっともっと伝える立場になって頑張っていきたいです。

Q:自分の病気について広く伝えていきたいとのことですが、具体的にはどのように考えていますか?

A:2022年に私の体に異変が起こってから、今までの記録を言葉にして残しています。早いうちに本にして出版して、いろんなところに行って講演活動をしてみたいです。

Q:最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

A:一番言いたいことは、もし自分の身体に何かおかしい異変を感じたら、大学病院のような大きな総合病院に行って色んな角度から診てもらった方が絶対に良いと思います。整形外科や脳神経外科でも分からないような身体の異変も、脳神経内科もあるような大きな病院なら早く診断がつくかもしれません。

語者プロフィール

仲宗根 真一(なかそね しんいち)さん 昭和43年8月宮古島生まれ南風原育ち 大学卒業後、神奈川で就職。 その後、横浜市の「おきなわ物産センター」で店長を経験し、川崎市で「沖縄そばゆんたく」を立ち上げる。 ALSと診断され2023年の春に30年ぶりに沖縄に帰郷 【好きなもの】音楽・お笑い・大河ドラマ 【好きな言葉】「明確な目標信念を持っているから耐えられるのではなく、明確な目標信念を持っているからこそ耐える時代を経験しなければいけないんだ」

  • 30年ぶりの沖縄で妻と新しい生活がスタート

  • 大学時代~妻と出会った頃~

  • 妻と二人で築いた愛すべき職場 in 川崎

2024年1月の報告あれこれ

第8期難病とのつきあい方講座開催

 沖縄国際大学の上田幸彦教授(公認心理師・臨床心理士)を講師にお招きし今年で第8期目の「難病とのつきあい方~こころとからだのセルフコントロール~」講座を1月27日より全3回(1月~3月)4名の難病を罹患されている受講者で始めました。
 講座の目的は、難病によるストレスや病気以外のストレスにうまく対処することで心を安定させ、必要な治療に積極的に取り組み、生活の質を向上させることで、過去7年間で43名が受講しています。この講座では開始1カ月前と直前にその時点のストレス度チェックを行い、3回目の講座終了後に再度ストレス度チェックを行い研修の成果確認します。
 今期は外出が厳しい方もいらしてオンラインでの開催となりました。対面での研修が学びも深いのではありますがニーズに対応していきたいです。

AWWA(米国福祉事業協会)から台風等災害時のよる長時間停電対策への助成

 1月30日AWWA(American Welfare & Works Associationの略称、米国福祉事業協会)の会長Amber Nicole Tracy様と通訳のSylvia Maiko Black 様のお二人が来所され、200万円のご寄付を頂戴しました。
 沖縄県では昨年夏の大型台風襲来により県内各地で長期間の停電に直面しました。長時間の停電に伴い人工呼吸器等の医療機器を使用する患者様の困窮状態に、AWWA様では緊急時の電源確保の重要性を痛感したとのことです。
 右記の事を踏まえ、当該寄付は災害時の長時間停電に備えたポータブル電源の購入費に使って欲しいとのご希望によるもので、寄付に際し県内で電源確保を推進できる団体をいくつか検討した結果、今までの実績からアンビシャスへ支援することを幹部会で決定したとの事でした。
 昨年夏の台風では直接の家屋や農作物への被害もさることながら、長びく停電による県民生活への影響も大きなものがありました。特に人工呼吸器等を装着して生活をしている難病及び小児慢性児童の皆様には命に直結する恐怖だったと思います。アンビシャスではAWWA様のご意志に沿い、このご厚志をポータブル電源の購入に充て緊急時の無料貸出機器として運営したいと思います。

その他のご寄付

 前述のAWWA様のポータブル電源購入費用の寄付以外にも多くの皆様よりご支援をいただいています。誌面の関係で全ての方のご紹介は出来ませんが、一部ご紹介させて頂きます。
 株式会社サンシャイン様が企画する「サンシャインゆいまーる」から7万5千円のご寄付を頂戴しました。昨年7月と合わせ14万8千円と今年度も多額なご寄付をいただいています。
 また5万円、3万円など個人としてはかなり高額なご寄付も数件ありました。その他毎月ご継続の皆様、沖銀smartアプリからのご寄付等、25件20万円余りのご寄付を頂戴しています。昨今の厳しい経済状況の中にもかかわらず多くの皆様のご支援に心より厚く御礼申し上げます。ご寄付に託された皆様の想いに応えられる様スタッフ一同これからも努力してまいります。

アンビシャスメモ

保健所スケジュール

各保健所、3月の予定はございません。

【北部保健所】  Tel:0980-52-2704
【中部保健所】  Tel:098-938-9883
【南部保健所】  Tel:098-889-6945
【那覇市保健所】 Tel:098-853-7962
【宮古保健所】  Tel:0980-72-8447
【八重山保健所】 Tel:0980-82-3241

ハローワーク那覇「難病患者就職サポーター」による出張就労相談のご案内

 アンビシャスでは毎月第3火曜日、ハローワーク那覇と連携し「難病患者就職サポーター」による出張就労相談を行っています。
 これから就職活動をする上で使える制度・支援などの情報や、病気の開示・非開示のメリット・デメリットについて、難病患者就職サポーターから実例を交えながらゆっくりと話を聞くことが出来ます。就労をお考えの方がいましたら、この機会に相談をしてみませんか。

【対象】難病をお持ちの方、難病をお持ちの方を雇用されている、又は雇用を検討されている事業主の方
【相談日】3月19日(火)13:30~15:30(お一人60分)
【場所】沖縄県難病相談支援センター(那覇市牧志3-24-29 グレイスハイム喜納2-1階)
【定員】2名(先着順、要申込)
【お申込・問合せ先】
沖縄県難病相談支援センター(認定NPO法人アンビシャス)
TEL:098-951-0567(平日10時~17時)
まずはお気軽にご相談ください。相談は無料です。

「表紙は語る」体験談募集!

 アンビシャスでは難病の方ご自身の病状や小児慢性疾患のご家族からの体験談を募集しています。ご体験を難病情報誌「アンビシャス」に掲載してみませんか。
 沖縄県本島内であればインタビュー形式の訪問取材も行いますので、文章を書くのが苦手な方もお気軽にご連絡をください。またZoomを使用しての取材も可能ですので宮古・石垣その他の離島及び遠方の方のご応募も大歓迎です。

【体験談掲載の内容】
※2頁構成。400字詰め原稿用紙5枚程度(2,000~2,200文字)にまとめてください。
※基本的に表現は自由です。但し特定の宗教や政党、健康食品などの紹介はご遠慮願います。
※ご執筆者には心ばかりですが、執筆料として1万円をご進呈します。
※実名、お写真掲載可能の方に限らせていただきます。
(参考までに過去の体験談の閲覧はこちらより!)
http://www.ambitious.or.jp/magazine/

詳細についてはアンビシャス:照喜名までお問合せください。
Tel:098-951-0567
メール:info@ambitious.or.jp

こころの現場から

職人技や職人気質の激減に想うこと

鎌田依里

臨床心理士 鎌田 依里(かまだ えり)

 私の祖父は名のある宮大工で日本各地の寺社仏閣の修繕を手掛けたり建立したりしていました。宮大工は釘を使わずに建立し、何百年も美しいままで保ちます。職人技や職人気質というものを幼少期から間近に見ていた私は、造られた品物の「もち」の悪さや対人関係の希薄さにやはり一抹の哀しみを感じます。
 世の中の流れは、品物も対人関係も安易に容易に手に入る(繋がり易い)が、長持ちせずにまた次のモノを手に入れるようになる、速い循環になっています。口約束が信頼できない時代になり、騙されるかもしれないという不安が常に漂う時代になり、その不安を煽ることによって物事を優位に進めようとする流れもあります。そのような現代ではありますが、ふと足を止めて、品物も対人関係も一つのモノを大事に長く保たせるために、大事に造り上げること、扱うこと、そして形には見えにくい「人との信頼」も大切に扱うことが必要なのではないでしょうか。
 カウンセリングも同様です。臨床心理士との間で「完全にひとりでなんとかやれる」ところまでしっかりとカウンセリングをやり遂げると、その後は、うまく生きていくことができます。しかし年々、丁寧にこころを扱える職人(心理臨床家)が少なくなっているようにも感じます。安易な相談や、その瞬間の不安を和らげるための相談では、一時的な効果しかもたらさず、心理的な症状は再燃しがちです。職人技を後世に伝えることは難しいです。また職人技について明確な数値を用いてエビデンスを証明することにも困難を伴います。しかしそんな世の中だからこそ、意識して自分の感性を高め、質の良いものを知り、触れ、大事にすることが必要なのではないでしょうか。

つぶやきチャンプルー

ストレスを減らすためにすることは

照喜名通

著:照喜名通

 ピアサポートについて、厚生労働省では「自ら障がいや疾病の経験を持ち、その経験を生かしながら、他の障がいや疾病のある障がい者のための支援を行うもの」としています。ピアサポートの「ピア(英語:peer)」には仲間・対等者などの意味があり、ピアサポートは仲間・同輩同士の相互支援を意味しています。 アンビシャスでは、難病ピアサポートとして「ピア・サポーター研修」を実施し3年間で26名の方が研修を受けていて、今後の活躍の場を提供する仕組み作りが課題です。
 精神科医師で作家のなだいなだ(本名:堀内秀)氏が「こころ医者入門(NHK出版)」で、アルコール依存症の患者の成長と治療を前向きになるよう支える人、「こころ医者」の紹介をしています。
 「こころ医者」は医師法の医師ではなくても誰でもなれるといい、患者当事者に限定していません。話しを聴くだけかもしれませんが、根気が必要であるとか、正常をよむ、嘘をよむなど、こころを支えるための作法が学べます。
 病院では診療時間が短いなど患者をサポートする機会が少ないので、家族や当事者同士、友人・知人など誰でもが出来るようになると、ストレスや苦しみが少なくなり、お互いに支え合うことができると幸せな世の中になると思います。

シリーズ 「患者学」第107回

傾聴するうえで大切なこと:共感する

慶應義塾大学 名誉教授 加藤 眞三著

共感的に傾聴する

 難病や重篤の病気の患者さんが抱えるこころの苦悩を軽減するためには、周りの人に傾聴してもらうことが大切だと言われます。その相手は、家族や友人であったり、医療者であるかも知れません。難病の患者さんの間で行われているピア(仲間の)サポートでも傾聴の重要性は強調されています。
 さて、傾聴では、話し手さんの感情に聴き手さんが共感することが大事だといわれています。しかし、実際には、聴き手Aは話し手Bと同じように感じることなどはできません。それにも関わらず、共感的に聴かなければという意識があるために、聴き手Aさんは「そうね」、「そうね」と繰り返していたことで、本当はそのようには感じていないのに「そうね」と答えている自分に嫌気がさしてくるのだという相談を受けました。相手の感じ方と自分の感じ方が違う時、傾聴者はどのように返答すればよいのでしょうか?
 聴き手の返事「そうね」が本気でなければ、話し手の相手にも本気でないということが伝わります。そうなれば、結局はよい傾聴になりません。つまり、相手の感情に同調することが必ずしもよい傾聴ではないのです。相手の感情を否定することなく、そのままに受けとめることが大切なのです。

「そうね」と「そうなんですね」の違い

 そんな時、わたしは「そうね」ではなく「そうなんですね」という返事がよいのではないかと考えています。「あなたの気持ちは、今そうなんですね」を略する言葉です。「そうね」は、「そうね、わたしもそう思うわ」になって同調していることになります。
「そうなんですね」であれば、聴き手も本当はそう思っていないのに同調するふりをしているという気持ちにはなりません。もちろん、地方や地域によって、ふさわしい言葉はあるでしょうから、その土地にあった言葉を探してもらえばよいのです。「あなたの気持ちは」という言葉を主語として対応する言葉を選べばよいのです。

共感すると共鳴する

 共感するという言葉は、聴き手側が意識するべき言葉ではなく、話し手が「あの人は共感して聴いてくれた」というように話し手側が使う言葉なのです。それは、共感しようとして聴いてくれたというイメージに近いかも知れません。
「共感する」の代わりに「共鳴する」という言葉をわたしは好んで使っています。種類の異なる楽器は同じ高さの音に反応し共鳴しますが、それは必ずしも同じ音色を出しているのではないのです。相手の話に対して同じ音色(感情)は出せないと覚悟しながらも反応して聴くことが共鳴です。話し手の言葉に共鳴しようと意識すれば、よい傾聴につながります。

傾聴の基本は関係性をつくること

 ともかくも、傾聴では、相手を理解したいと聴くこと、否定せずに聴くこと、こちらから教えようとせず聴くことが大切なのです。そのことが話し手と聴き手の関係性をつくり、この人なら本心を話しても良い、話してみたいということになるのです。もともと、親しい関係性がある間柄であれば、より話しやすいかも知れませんし、余り近しい間柄ではかえって話しにくいこともあるのです。本心を話せる人を選ぶのは話し手なのです。

慶応義塾大学看護医療学部
名誉教授 加藤 眞三
慶應義塾大学名誉教授。上智大学グリーフケア研究所研究員。
患者と医療者の協働関係を作り上げることをテーマに公開講座「患者学」や著作 等を通じ、患者も自ら積極的に医療に参加する啓発活動に取り組む。

東洋経済オンラインに加藤先生による「市民のための患者学」連載配信中!
http://toyokeizai.net/articles/-/143366
加藤先生の最新書籍:肝臓専門医が教える病気になる飲み方、ならない飲み方
出版社:ビジネス社

読者からのお便り

パーキンソン病遺族が勧める本の紹介

 パーキンソン病を患った夫が亡くなりました。彼は、最初は便秘に睡眠障害、下半身、特に両足が重いという状態を訴えていました。後半には自律神経の病なので精神的に不安定で鬱状態、せん妄、幻覚等で日常生活が難しくなりました。
 しかし最後まで悲壮感もなく、自分らしく生きることが出来たのは、開発されていく治療薬の情報と、リハビリ施設の仲間がそれぞれの趣味や生き甲斐を見つけ頑張っている姿を見て、安心と救いを見つけ孤独病にならなかったからだと思います。

 特に、前木多榮子さんの著書「ばいばいパーキンソン病(サブタイトル:病気で悩んでいるあなたへ、いま私が伝えられること)」を読んで安心と勇気を貰っていました。
 20年間も罹患し、焦りのあまり薬を大量摂取し、薬物中毒手前で生還し、その後社会と断絶して10年間引きこもりを経たとのこと。
 私はそのような壮絶な中からどのように社会に復活する事が出来たのか、心の変遷を知りたいと思いました。
 前向きになる言葉はたくさん聞きますが、生きるか死ぬかの大病の中、何が彼女を支えたのでしょう? 彼女の家族、友達が節目節目で彼女を支えていますが、やはり本人の「治る!!安心していいんだ」と根拠のない確信をしたことだと思います。この確信の元、何か自分か得意なものは?障がいがあっても出来ることは?私にできることは?と行動を起こしたことなのでしょう。
 旺盛な好奇心とチャレンジ精神には羨望の言葉のみでは表せません。
 是非お勧めしたい本です。

寄稿者:平良 緑子

今月のおくすり箱

薬疹

吉田典子

沖縄県薬剤師会 吉田 典子

 薬疹とは、薬を内服したり注射したりすることにより生ずる発疹のことをいい、ふつうアレルギー性薬疹の事を指します。アレルギー性薬疹は薬に対して反応する細胞や抗体のある人にのみ起こります。
 薬疹の起こりやすい薬には解熱鎮痛薬、風邪薬、抗菌薬、造影剤等があります。薬疹の症状は皮膚が赤くなったり、発疹が現れますが、重症例では皮膚全体が腫れ、症状が粘膜にまで及ぶこともあります。発疹は薬の使用後数分以内に突然生じる場合もあれば、数時間、数日、さらには数週間遅れて生じる場合もあります。
 薬疹の殆どはお薬を中止することで症状が治まりますが、重症化を防ぐためにも異常を感じたら早めに皮膚科等を受診してください。また、薬疹を2度と起こさないためには、その薬が処方されないようにしなければなりません。
 お薬手帳には薬疹等副作用の原因となった正確な薬の名前を必ず記載してください。類似薬でも起こる事があるため、医療機関を受診の際は必ず医師や薬剤師に確認してもらいましょう。副作用の早期発見のために、ご自身の使用する薬の起こりやすい副作用についてお薬の説明書等は必ず目を通しておきましょう。

アンビシャス広場

~エッセイ~ 「耳をすませば」 渡口 正さん(ALS)

 かつて、私が中坊だった頃、美里中学校の校門前に停まっていた移動パーラーの前で、私が部活の友達に「いゃー、ぬーくぁいが(お前、何食べる)?」と尋ねたところ、すかさず、パーラーの中から「あんた達、糸満あっぴー(少年)だねー」という声がしたので、目を丸くした友達が「このおばさん、ユタあらに(霊媒師じゃないか)!」と一言。私は「糸満人(チュ)あらに?」と即答。我々には、おばさんの正体が謎のまんま。

 沖縄病院に入院していたある日、病室にやってきた看護師の仲里さんが隣の患者さんと話していた時「ん?」と思った私が仲里さんに住んでるところ尋ねたら、「名護よー、名護ー。私、名護の人よー。私、フツーに話してるのに、みんな、私の喋り方へンっていうのよー」って話す彼女の緩すぎトークに、私は、柚子がプカプカ浮かぶ露天風呂でカピバラと瞑想してる気分でした。でも、仲里さんは、やんばるの森に佇む名護ランのように可憐な名護美人です。

お勧め映画/DVD情報

1)ファーストペンギン!
2023年、日本テレビ系ドラマ、全10話。
食べる為には何でもやるとシングルマザーが、漁師たちとぶつかりながらも共に夢を背負い、ド素人ながらも夢を叶えようとしていく。実話を元にした、ハートフルコメディとサクセスストーリー。主演、奈緒、堤真一、梅沢富美男など。タイトルの「ファーストペンギン」とは、ペンギンは臆病ながらも、敵が潜む海に最初に飛び込み、仲間たちを先導する「勇気ある一羽目のペンギン」を指す。

2)オクトー~感情捜査官 心野朱梨~
2022年、日本テレビ系ドラマ、全10話
人の感情を 色で見える特殊な力のある刑事が、取調室で、犯人を見つけて行く。色で表す感情が、興味深い作品。主演、飯豊まりえ、浅香航大など。

★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
・・・カラーセラピーやパワーストーンも好きで、時々、ネットで見てます。

今月の占い

  • 牡羊座 3/21-4/19
    人の助言を受け入れて
    ☆リフレッシュ法:談笑
  • 牡牛座 4/20-5/20
    睡眠を十分に休息も
    ☆リフレッシュ法:仮眠
  • 双子座 5/21-6/21
    整理整頓でスッキリと
    ☆リフレッシュ法:散歩
  • 蟹座 6/22-7/22
    美味しい物で栄養を
    ☆リフレッシュ法:飲食
  • 獅子座 7/23-8/22
    気分転換を心掛けて
    ☆リフレッシュ法:歌唱
  • 乙女座 8/23-9/22
    人に優しい気持ちを
    ☆リフレッシュ法:読書
  • 天秤座 9/23-10/23
    挨拶で周りを気分良く
    ☆リフレッシュ法:テレビ鑑賞
  • 蠍座 10/24-11/21
    お礼の気持ちは忘れずに
    ☆リフレッシュ法:お風呂
  • 射手座 11/22-12/21
    早寝早起きで体調完全
    ☆リフレッシュ法:掃除
  • 山羊座 12/22-1/19
    忘れ物に注意して
    ☆リフレッシュ法:DVD鑑賞
  • 水瓶座 1/20-2/18
    自分らしく進んで
    ☆リフレッシュ法:音楽鑑賞
  • 魚座 2/19-3/20
    向上心を持った行動を
    ☆リフレッシュ法:スキンケア

編集後記

 ようやく寒さも衰え始めた今日このごろ、皆様お変わりありませんか。三月は卒業や人事異動の時期で周りでも別れる人々がいらっしゃる事でしょう。また、年度末に向けた作業などで追い込みの月でもあります。気を引き締めていきたいです。
 さて、今月の「表紙は語る」はALSを患っている仲宗根真一さんにお願いしました。インタビュー形式で、病気を診断された時、これまで大切に育ててきた飲食店の仕事を病気のせいで断念したこと、そして、これからは病気についてより多くの方に知って欲しいとの内容となっています。ご夫婦でインタビューにお応えくださり、愛あるお二人の姿が印象的でした。「表紙は語る」では、難病を通じて経験する一人一人の生き方や思いが表れます。
 今月号は患者団体の紹介コーナーに読者の声を取り上げています。私たちは難病情報やイベントなどの周知をより多くの患者さんたちへ届けるために会報誌を発行していますが、ぜひ読者としての感想もお寄せください。より多くの方々に有益な情報をお届けするために、皆さんのご協力をお願いしたいと思います。

文 照喜名 通