1. 難病情報誌 アンビシャス 209号

難病情報誌 アンビシャス 209号

最終更新日:2019年10月01日

表紙は語る

明日のことを思い煩うな、明日のことは明日自身に任せて、今日1日を精一杯生きたい

神里 博武 (かみざと ひろたけ)さん
多系統萎縮症

多系統萎縮症と診断された当時の様子や心境

私が難病である多系統萎縮症の診断を受けたのは、昨年8月である。その2、3年前から立ち上がりや立ち止まる時にフラツキがあり、家族・知人からもそのことを指摘されていたので昨年2月に脳神経外科で診てもらったが、その時は、特に異常は見つからなかったので、しばらく様子をみることにした。しかし、依然としてフラツキは続いており、「おかしい」ということで昨年8月、別の脳神経専門の外科で診てもらったところ多系統萎縮症の疑いがあるということで、神経内科の専門医に診てもらい多系統萎縮症と診断されフラツキの原因が明らかになったのである。私の場合、歩行できる程度でその後は薬を服用しながら、リハビリや運動等で進行を遅らせる以外に方法がないと告げられた。そこで、リハビリや運動に取り組んでいる。
 難病生活を始めるにあたって、とにかく、明るく、前向きに生きていきたいという思いが強かったように思う。その時の記録にはそれらしき決意がいくつか書き記されていたのである。私の場合、難病といっても、明日のことを思い煩うな、明日のことは明日自身に任せて、今日1日を精一杯生きたいというおもいを持ってやってきたように思う。しかし心配性の自分のことだから、時々、将来の不安を感じたりするが、そこを、しっかり展望を持って暮らしていきたいと願ってきた。

その後の状況と現在の様子

 私は現在77歳で4つの社会福祉法人の理事をしている。68歳で大学教員を退職し私設の社会福祉研究所と資料室を立ち上げ、昨年の難病診断時も「島添の丘」理事長の他、10箇所以上の市町村地域福祉・子育て支援事業計画づくりに携わってきた。しかし、言葉(言語)に障害が出始めた今年の4月からは、残念ながら市町村や社会福祉法人との関わりを減らさざるを得なくなった。
私は社会福祉の現場研究者として、誰でも地域で「自分らしい生活・生き方のできる社会づくり」を目指してこれまで多くの方々の協力を得ながら研究・実践を続けてきたが、多系統萎縮症の診断を受け、難病と共に生きることになってからは難病当事者として、また自分自身の問題として「自分らしい生き方のできる社会づくり」をあらためて関係者とも力を合わせて進めていきたいと考えている。
幸いにも、これまでに築いた社会福祉協議会等とのネットワークがあり、それを活かした望ましい福祉のまちづくりにこれからも関わっていきたいと願っている。そのため、現在でも市町村社会福祉協議会で講話をしたり社会福祉法人の会議の議長(委員長)を引き受けたりしている。難病でも社会に参加する機会を与えて下さっている社会福祉協議会や福祉団体には心から感謝したい。私の難病に対するスタンスは、「失われたものを数えるな、残されたものを最大限に活かせ」(L.グッドマン)に尽きるように考えている。

難病の影響

 難病と診断を受け、まず始めたのは資料室の5万冊ほどの書籍・資料の整理と自分が引き受けている役職の整理である。役職については既に触れたが、5万冊ほどの書籍、特に大半の社会福祉関係図書の引き受け先を探すことが最大の難題であったが、これには琉球新報社が記事として取り上げ、引き受け先探しに協力してくださった。おかげで社会福祉関係図書の引き受け手を得ることができたのである。沖縄の社会福祉研究の今後を考えると、本当に感謝にたえない。この中には現在では入手困難な貴重な本とか戦前や米軍統治下の図書が含まれており、受け入れ先が見つかりほっとしている。図書や資料を整理しているとその時の状況が懐かしく思い出されるものである。

私の一日とリハビリ

 私の朝は5時頃に目を覚ますが、30分はベッドでストレッチなどをして6時前に起きだし、近くの畑道でウォーキングをしたり、朝日が上がる前に家の周りの掃き掃除をしている。朝、リハビリを兼ねてウォーキングをしたり家の周囲をきれいにすることは1日を始める上で大きなエネルギー源である。そのほか、庭木の剪定も私の仕事である。以前は脚立に上って黒木の剪定をしていたが、多系統萎縮症診断後は脚立に上ることができないので、高い木は家族に任せて私は低い木の剪定を専門にしている。これが出来るのも現在、立って歩く力が残っているからで感謝している。今、一番気を付けているのは転倒で、転倒防止のため細心の注意を払っているつもりである。しかし、転倒が怖いから朝のウォーキング、掃除、剪定をやめようとは今のところ思わない。
 最近、朝ベッドから立ち上がる時、ふらついてベッドに座り込むことも増えているが、それでも現在立ち上がって歩けるのは喜びであり感謝である。これまで、足の筋肉を鍛えながら歩行を中心としたリハビリを続けてきたが、最近、言語の衰えも気になりだしたので、8月末からは言語の専門家による訓練も受けることにしている。

患者会に参加

  私は、自分の将来を含めて今後の情報を得るため、難病の仲間たちとの交流を希望していたところ、南部・那覇地区にも患者会があることを本誌で知り、6月29日の患者交流会(ゆるり会)に妻とともに参加させてもらった。患者会は南風原町のちむぐくる館で開かれ、本人・家族あわせて14人から15人が参加していた。交流会では当事者の現況が語られるなど学ぶことが多く胸を打たれた。特に若い当事者が厳しい状況の中で頑張っている様子には励まされた。このような機会を作ってくださった井上会長らに心から感謝したい。そして患者会を通して多くの仲間たちとの交流を大切にしたいと願っている。

語者プロフィール

神里 博武 (かみざと ひろたけ)さん
1942年 南風原町生まれ
【趣味】読書。音楽(特にマーラー)を聴くこと
【挑戦したい事】短期的にはベートーベンの第九をドイツ語で聴くこと。長期的には「鈴木大拙全集」を読むこと。
【好きな言葉】明日のことを思いわずらうな、明日のことは、明日自身が思いわずらうであろう。一日の苦労は、その日一日だけで十分である。
【好きな作家】金子みすゞ

  • 新春もちつき大会で理事長として挨拶(2019年1月)

  • 市町村社会福祉大会で講話 (発症前)

8月の報告あれこれ

団体のリーダーが集い学ぶ場


 ヘルスケア関連団体ネットワーキングの会(VHO-netと略す)のワークショップが8月23日、24日に開催されました。VHO-netとは、疾病や障がいが違っても共に協力し、共に議論し、保健・医療・福祉の質の向上を目指していく団体で、各団体のリーダーや医師をはじめ保健医療福祉関係者で運営しています。学習会の会場費やそれに参加するための交通費は製薬会社のファイザー(株)が社会貢献活動の取り組みとして支援をしています。
 ワークショップは毎年1回全国のリーダーなど50名ほどが集い、テーマに沿って基調講演を行い、分科会、グループ発表、全体討論の日程で進行します。経験や立場の違いで発言の内容も異なりますが、否定や批難は避け、テーマに沿って建設的に議論します。それぞれの地元に帰ったあとに、どうやって活かしていくのか各自で考えて成長していきます。
 第19回になる今年のテーマは「実践から学び活用できる資金調達」とし、佐賀県の三原睦子氏と沖縄からは照喜名が発表させていただきました。全国的に会員数が減少傾向にある患者会などは、助成金頼りになりがちですが、「新たに寄付金を募るためにはどうすればよいのか」という事例発表となりました。これからも、共に学び互いに成長できる仲間を増えることを期待したいです。

クリーンアップボランティアスタッフを募集しています!



 アンビシャスでは、沖縄県の貸与事業で発電機等の貸与をしていますが、不要になったり、故障した発電機が戻ってきます。その発電機を有効に再活用するためには、マフラーやプラグなどを分解して綺麗にメンテナンスしないと充分な性能を発揮できません。
 そこで、ボランティアを希望された、比嘉茂幸さんが定期的に来所してクリーンアップしてくれています。しかしガソリンを入れたまま放置したため、エンジンが故障してしまったものもあり、エンジンまでは修理することが出来ないので、修理が出来る方を別途募集いたします。どなたか修理可能な方、ご協力をお願い致します。

こころの現場から

「約束を守ること」

鎌田依里

臨床心理士 鎌田 依里(かまだ えり)

 ひと昔前、相手と約束をしている時、待合せ場所に遅れないように最大限の努力をしていた時代がありました。待合せ場所に相手が来ない場合には「何か重大な事件に巻き込まれたのではないだろうか」と心配をしたものです。そして約束の時間に間に合わない状態になったひとの方は、待たせている相手に自分の誠実な想いを伝えることができないことに焦り、悔やみ、何とかして待たせている相手に連絡を取ろうと最大限の努力をしたものです。
 現代では携帯電話が普及し、遅刻をしてもLINEやメールで簡単に伝えることが可能なので、相手を待たせること自体を軽視してしまう傾向になっています。自分が約束を破られたという経験が、約束を破った相手との約束は次回以降も守られないのではないかという疑心暗鬼な状態を生じさせ、相手に対しての誠実な対応を困難にしてしまいます。
そしてお互いに遅刻したり直前キャンセルをしたり、という不誠実な関係が構築されていくのです。また、何かを予約する際にも一旦予約をしておき、キャンセル料金の発生する1日前にキャンセルし、当日にまた予約をするという、常識では考えられない方法を選択しているひともいます。自分にとって都合のいい言動ばかりをしていると、協力してくれたり守ってくれたりするひとが激減してしまいます。
 「約束を守る」という概念が薄れていることは、相手の予定が自分との約束によって縛られていることを想像しない自己中心性から生じます。時間はお金では買うことができません。約束は、相手の貴重な人生の時間を消費するという認識がもう少しあると、お互いを思いやり、守り守られ、信頼され、こころ穏やかに生活できるかもしれません。

つぶやきチャンプルー

「製薬会社の支援で多くを学び成長」

照喜名通

著:照喜名通

 アンビシャスを立ち上げた今から17年前、難病の患者会は2患者会しかありませんでした。現在では規模は様々ですが16患者会にまでなっています。
 その会の代表になって世話をする方がいらして患者会は成り立っています。沖縄ではアンビシャスと保健所とで、その代表世話人と連携し患者会の設立を支援してきました。患者会設立後は各患者会の連絡先や行事を会報誌やウェブで周知しています。年に一回は各会のリーダーが集い、情報交換や課題の共有をしています。
 また、製薬会社の支援としてアステラス製薬はピア・サポーター養成講座、ファイザーは年2回リーダーの学習会を沖縄で開催し、共通する課題などを学習しています。更にファイザーでは毎年、東京で全国から患者会や障がい者団体のリーダーや医療者が集いワークショップを開催し、参加する際の旅費や宿泊費を支援しています。私は委員を務めていることから、年間15回約60万円の交通費支援を頂いています。そこから得ることが非常に多く学び成長しています。この会報誌のシリーズ「患者学」でお馴染みの慶應義塾大学看護医療学部教授の加藤眞三先生とのご縁もこのワークショップでいただきました。
 加藤先生には、今年度よりアンビシャスの顧問として就任して頂くことになり、さらにパワーアップしています。

シリーズ 「患者学」第54回

患者会に求められる仲間を支える力(ピアサポート)

慶応義塾大学看護医療学部 教授 加藤 眞三著

 前号では、患者会の役割として、病気についての情報を共有するという目的がインターネットの発展に伴い、相対的に低下してくるだろうことを述べました。その代わりとして、今後求められるのが、同病の患者を病気に負けないように支援するという力と、真の福祉社会を創り出すための提言力です。
 今回は、同病の患者、すなわち仲間(ピア)を支えるという患者会の役割について考えたいと思います。

 難病や重い病気になったとき、患者さんは生きる意味を見失うことになります。これまで生きてきた人生の中で前提としてきた自分の身体能力が、失われたり、低下することになる。あるいは、身体能力の低下が今後も進行していくことが予想されている。そうであれば、今までやってきたこと、今後やりたいと考えていたことができなくなるという状況になります。
 今まで自分が死ぬことなど意識することなく生活してきたのに、自分自身の切実な問題としての死を間近に感じること。病気の治療のための医療費がかかるだけでなく、入院し仕事が継続できなくなったり、退職することが余儀なくされるなどで経済的な問題も抱えること。
 家族に対して行ってきた世話をできなくなるだけでなく、反対に家族の世話にならなければならないこと。職場や近所で今まで頼りにされてきた人からも頼られることがなくなること。
 病気に対してどのように対処してよいのかもよく解らないこと。治療や療養に関して色々な判断を迫られるけれども、状況が良く理解できないこと。
 このような多様な困難が、同時に、そして次々に襲ってくるわけであり、どんな人であっても病気を抱えた苦悩に苦しみます。
 最初は、自分のおかれた状況が良く把握できないことに苦しみ、次に、何でわたしがこんなことで苦しまなくてはならないのかと悲しみ、怒りの感情がこみ上げてきます。そんな感情を他の人にぶつけてしまい、そのことを後で後悔することもあります。
 こんな時、自分の状況を良く理解してくれる人が身近にいるだけで支えになります。こちらの話を共感しながら聴いてもらえるだけでも、心が落ち着いてきます。自分と同じような状況にあった人が、今生き生きと生活されていることをみるだけでも、勇気づけられます。
 そんな力になれるのが患者会のメンバーではないかと思います。そして、そんな活動がこれからの患者会の大きな部分になっていくのではないかと考えます。
 なぜなら、同じ病気を体験した人だからこそ、共感を持って聞くことが可能であり、病気を抱えての生活するための勇気をもっておられ、その人のもつ智慧を伝えることも可能だからです。
 最近のBMJ(英国医師会雑誌)に、ローマ市サン・カミッロ病院の多発性硬化症センターで、医療チームの中に参加して奮闘するパオラ・クルーガー氏の記事が紹介されています。クルーガー氏は、「エキスパート患者は医療職の仕事を補助するために働くのではない。エキスパート患者という一つの専門家として働いていることを誇りにしている」と発言しているのです。
 同病を抱えた患者が医療機関の中で医療チームの中に専門家の一員として参加しているなんて素晴らしいことだと思いませんか?

 次号に続く

 

https://katos.at.webry.info/201908/article_1.htmlに記事を翻訳しています。

 


東洋経済オンラインに加藤先生による「市民のための患者学」2週間ごとの連載スタート!
http://toyokeizai.net/articles/-/143366

慶応義塾大学看護医療学部
教授 加藤 眞三
1980年、慶應義塾大学医学部卒業。1985年、同大学大学院医学研究科修了、医学博士。
1985~88年、米国ニューヨーク市立大学マウントサイナイ医学部研究員。
その後、都立広尾病院内科医長、慶應義塾大学医学部内科専任講師(消化器内科)を経て、現在、慶應義塾大学看護医療学部教授(慢性病態学、終末期病態学担当)。

患者の力: 患者学で見つけた医療の新しい姿
出版社: 春秋社

「患者には力がある!」 毎日を健康に生きるために、そのためにも、真の患者中心の医療を実現するために、いま必要なこととは。

アンビシャス広場

~エッセイ~ 「夢の海水浴で素敵な出会い」 浦崎 綾乃さん(ALS)

 9月1日、美らSUNビーチで海水浴をして来ました♪
 重度の障害がある人工呼吸器ユーザーの私が海に入るために、多くの人に手伝って頂きました。
 今回は「海あしびなーSUNフェスタ2019」の事前検証会があるという事で参加しました。実行委員会の皆さんにサポートして頂き、チェアボートとカヌーを体験することができました。沖縄の美しい海に家族と一緒に入ることができて、私たち家族の素敵な思い出になりました。
 バリアフリーになっている豊崎海浜公園美らSUNビーチを、より障がい者に優しい施設でいつでもだれにでもマリン体験ができるようになるといいな!という思いから、障がい者支援に携わる者、ビーチ施設運営、観光に携わる者がそれぞれの思いや意見を取り入れて、これまで関わりを持つことが少なかった福祉と企業が力を合わせることができ、またその思いに賛同した琉球銀行グループに協賛して頂き2017年から今年で3回目の開催になります。と実行委員の方からお話を伺うこともできました。
 そんな熱い思いを持つ方々との素敵な出逢いがあった夏でした。

難病川柳・難病短歌

難病がある方や家族の方から短歌・川柳を募集しております採用の方には寄稿料として千円相当のクオカードを進呈します。
メールや電話、Faxにてご連絡先も記載の上、お気軽にご応募ください。

難病川柳
元気です! 言った翌日 もう後悔
作:ジュリーさん(シェーグレン症候群)

片道2時間かけての通院です。たまたまその日は調子が良かったし、先生を困らせたくなくて、つい・・・。
朝の強張り+関節痛+炎天下の移動で疲れ果て翌朝は起きられず。やっぱり私、病気かも!?

難病短歌
孫言った 薬飲まんと どうなるか? 薬剤師さん 無言で見つめる
作:上里 栄子さん(天疱瘡)

夏休み小2年の男児を社会勉強だと病院ヘ同行。診察二ヶ所終え薬局で大量の薬を見て出た言葉でした。

お勧め映画情報

「僕のワンダフル・ライフ」

あらすじを知らないまま観るのが良い作品。
大好きだった飼い主にまた会いたい一心で計5回も生まれ変わった犬の「人生」
心温まるストーリーで、犬を飼ったことが無くても、どんなペットでも、人間に与える影響や関係性が、こうでありたいと思えるような作品。

★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
・・・カラーセラピーやパワーストーンも好きで、時々、ネットで見てます。

今月の占い

  • 牡羊座 3/21-4/19
    周りに笑顔溢れる会話を
    ☆リフレッシュ法:読書
  • 牡牛座 4/20-5/20
    思い悩むより一歩前へ
    ☆リフレッシュ法:睡眠
  • 双子座 5/21-6/21
    気持ちの切り替えを
    ☆リフレッシュ法:運動
  • 蟹座 6/22-7/22
    人と比べるなかれ
    ☆リフレッシュ法:美術鑑賞
  • 獅子座 7/23-8/22
    感情を上手に使って
    ☆リフレッシュ法:音楽鑑賞
  • 乙女座 8/23-9/22
    怖がらず胸を張って
    ☆リフレッシュ法:談笑
  • 天秤座 9/23-10/23
    挨拶でコミュニケーション
    ☆リフレッシュ法:カラオケ
  • 蠍座 10/24-11/21
    睡眠を取ってスッキリ
    ☆リフレッシュ法:映画鑑賞
  • 射手座 11/22-12/21
    ルーティンを決めてみて
    ☆リフレッシュ法:買物
  • 山羊座 12/22-1/19
    好きな事を遣ってみる
    ☆リフレッシュ法:瞑想
  • 水瓶座 1/20-2/18
    焦らずマイペースで
    ☆リフレッシュ法:食事
  • 魚座 2/19-3/20
    苦手意識の克服を
    ☆リフレッシュ法:ドライブ

各患者団体からのおたより

沖縄県網膜色素変性症協会(JRPS沖縄)より
「網膜の日」について

 去った9月23日は「網膜の日」でした。
 私たちの眼の奥には「網膜」という光を感じる膜があります。そこが冒されると、暗いところで見えにくくなったり、視野が狭くなったりします。完全に失明していなくても、歩くときには白い杖が必要になってくるのです。網膜の病気は、外見からは視覚に障害があるということがわかりにくいのです。
 見えているのにわざと白い杖をついているのではないかと怪訝な顔をされることがあります。電車で席を譲られてスマホを見たりすると、「見えてるくせに見えないふりをしているのではないか?」そう思われることもしばしばあります。しかし、実際に五円玉の穴ほどしか見えていなかったり、ものがゆがんで見えたり、スマホを見ることができても、白杖を使わないと安全に歩くことができないのです。
 どうか、網膜の病気を理解してください!
 そこで網膜の病気について理解を深めて頂くことを目的に、昼と夜の長さがほぼ同じになる9月23日を毎年「網膜の日」としています。明るさは、網膜の病気の抱える患者にはとても重要なのです。
 網膜色素変性症以外にも緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性、網膜剥離など、網膜の病気はさまざまです。このような病気があること、そして、白い杖をもっていても「完全に見えない」のではなく「見えにくい」人もいるということをわかってください。白い杖を見かけたら、ぜひ「何かお手伝いしましょうか?」と声をかけてください!!

編集後記

 まだまだ暑い日が続きますが、朝夕は幾分しのぎやすくなった気がします。夏の疲れがどっと出てくるこの時期、体調管理には充分気を付けたいものです。
 さて今月の「表紙は語る」は多系統萎縮症の神里さんに体験談をお寄せいただきました。
 これまで社会福祉の現場研究者として大学で教鞭をとり、退職後はいくつかの社会福祉法人の理事として福祉に関わる仕事を続ける中、昨年、多系統萎縮症と診断を受け、多少の不安を覚えながらも将来に展望を持って生きていく決意が淡々と述べられています。
 難病と共に生きることになってからは難病当事者である自分自身の問題として、また長年福祉の現場に関わり続けた身として「自分らしい生き方のできる社会づくり」をあらためて関係者とも力を合わせて進めていきたいと、自身の貢献できる範囲で現在も福祉関係に身を置いて活動されている様子が語られました。
 これまでに築かれた福祉関係者との信頼関係を活用し、ご自身の体調も見ながら、無理のない範囲で難病や他の障害をお持ちの皆様の良き理解者として活躍されることを期待しています。

文 仲村明