1. 難病情報誌 アンビシャス 197号

難病情報誌 アンビシャス 197号

最終更新日:2018年10月02日

 

表紙は語る

幸せかもしれない。~10数年の私の変化~

酒井 ひとみ(さかい ひとみ)さん
筋萎縮性側索硬化症(ALS)

 発症からしばらくの間、「私は何のために生きているのだろう」と考えている時期があった。
 それは偽善でもお人よしでもなく、発症当初テレビのニュースで同世代の人や十歳くらい若い人が、亡くなったと画面から流れるたびに、「なんで、私みたいに何もできない人間が生きていて、まだまだこれからの人間がなくならないといけないのだろう?」とテレビを前に涙したものだ。もう十年ほど前になるのか・・・と月日が経つのが早くなってるのにちょっとびっくりしてしまった。でもあれから十年もたったのかと思うと実に様々なことを経験してきたなと思う。
 その話はまた後でするとして、まず発症当時の話をしたいと思う。

 当時、歯科衛生士をしながら二児の母として週4日ほど平日は働きに出ていた。そして休みの日は子供の保育園が終わる頃にちょうど迎えにいけるよう、時間を見ながら夕飯を作り、買い物や掃除洗濯を済ませて、子供と家に帰ると外で縄跳びをしたりボール遊びをしたりしてから家に入り、お風呂に入った頃に主人が帰ってきて夕飯をみんなでとる、といったごくごく普通の生活をしていた。
 なぜこのようなどうでもいい話をするかというと、自分でもよく分からないが多分私の中で『最も幸せで忘れたくない時間だったのだ』と思う。それと私の発症する以前の話を皆さんに聞いて欲しかった。ただそれだけの話しである。

 そんな私が明らかにおかしいと思ったのは、運動不足だと感じてエアロビをしていた頃、まだ20代なのに50代の人でも出来ている運動が出来なくなっていた。それも普通に疲れてたから動かせない、というものではないことは私の感覚で分かった。
 今思うとあの時かかわっていた患者さんも、もしかすると難病のあの病気じゃなかったのかなと思うことはあるが、無知な私にはまだまだ分からないことのほうが多い。ただ私の経験でお話しする以外方法が見つからないのが事実だ。
 私が発症した頃と比べ、今の時代がうらやましい。今は気になる症状やキーワードを検索すればポンとすぐに調べたいページが出てくる。そんな情報社会と助けてくれる福祉機器のおかげで私たちのような難病患者の暮らしは、私が発症したころに比べても随分暮らしやすくなったと思う。
 それが出来るようになるためにはちょっとの努力は必要だとおもう。現に私自身、外出のとき以外はパソコンを使って仕事をしている。今出来ているのが不思議なくらい、発症して二年くらいまで苦手で、理解するつもりもなかったパソコンを人並みに使えるようになった。これは努力したからとかではなくて、必要に迫られてやっていた結果、出来るようになっただけである。今ではパソコンの機能とコミュニケーションの機能を持ち合わせたこの福祉機器がないと暇で死んでしまうのではないかと思うくらいだ。
 それから情報というところでいうと、私は東京というところでたまたま生まれ育ったこともあり、結婚して一度は出たふるさとだったが戻ると決め、発症してからおよそ二年で戻っていた。それは自分のためであり、家族のためでもあると信じていたからだ。
 話しがそれてしまったが、東京に戻ったことにより口文字というコミュニケーションの取り方や実際飛行機にどのようにして乗るといいかなど、事前に教えていただくチャンスを運よくもらうことができた。その情報を提供してくれたのは日本ALS協会の元会長さんたちで、直々に教えていただいたこともあり、すぐにそれらの方法を習得することができた。そのようなこともあり、私は昨年あたりから全国各地に泊りで出掛けることも増えてきた。だからという訳でもないが、日本各地に仲間を増やしたいと考えているので、困っていることや聞いて欲しいことがある人はぜひ一度ご連絡いただきたいと思っている。コミュニケーションの取り方や、その他に生活の仕方など私の教えられることがあると思うからだ。

 そして私が冒頭で述べた月日がたつのが…という話だが、これは私自身が趣味もなくただ漫然とテレビを見て過ごしていた時期があったので、その頃に比べるとやることが増えたことを指している。ただ毎日をテレビだけ見て過ごしていたら、たぶん時間の流れに対する感じ方も、人と接する態度も今と比べたら悪かったのでは?と思ってしまう。なので、みなさんにもぜひ自分の趣味や楽しみというものを見つけて欲しいのだ。それが自分の体や生命維持装置に影響を及ぼすものでない限り、周りにいる人たちが反対することはないと思うから!
 これまでの10数年で私たち難病患者の環境も変わったから、「きっと治る日も近いに決まってる」と私は信じてる!なので、あまり頑張りすぎずにやりたいことをやりながら生きていこうと思う。
 そして最初に書いたことに関してはあれ以上のものはないが、今テレビを見ない生活が6年続いているせいか、あの頃のように泣くことも減った。それに自分自身忙しくテレビを見る暇がなくなり、ニュースを見なくなったことが多分にあるのかもしれない。
 そして日々忙しく過ごしている現在の私は「幸せなのかもしれない」と感じる今日この頃である。

語者プロフィール

酒井 ひとみ(さかい ひとみ)さん 昭和54年 東京生まれ 【趣味、最近の楽しみ】ライブに行くこと 【挑戦したいこと】海外の同病の患者さんに会いに行って交流を持つこと 【好きな歌手】カサリンチュ、C&K、東方神起

  • 宮崎県サンメッセ日南のモアイ像をバックに。

  • 今年8月北海道旅行時の一コマ。

8月の報告あれこれ

台風等、非常時への備え

 今年は台風の発生件数が多く、7月に5個、8月に9個となり、例年になく危機感を感じている人は多いと思います。在宅で人工呼吸器を装着した小児や成人においては、まさしく生死にかかわる問題であります。
 アンビシャスでは、その様な不安をお持ちのお宅へ保健所の保健師と同行し、非常時における自助で出来る事などの説明を実施しています。訪問した件数は、偶然にも台風発生と同じ件数で、7月は5件、8月は9件の訪問となりました。介護をする家族の災害に対する意識は様々です。大規模災害しか考えていないケースや台風しか考えていないケースもあります。しかし、沖縄では大規模災害はおろか、最近では本島への大型台風の接近が少ないこともあり、災害への危機意識は低くなってきています。だからこそ、訪問して丁寧に何度でも共に考え備えることが重要と考えさせられます。

沖縄指笛製作

 10年前に難病を持つ方への就労支援の一環として開発したオリジナル商品「沖縄指笛」は、その当時は年間数千個も販売したヒット商品でした。「沖縄指笛」の製作に当たっては、首里城赤瓦の復元に貢献された奥原崇典氏のご厚意で、氏の作品を焼く際に焼釜の空いたスペースを利用させて頂き、焼き物として完成させていました。
 その後、奥原氏のご逝去や製作指導をするスタッフの退社もあり、やむをえず製造販売を中止していました。リピーターなどから復活を熱望する声も数多くあったのですが、なかなか再開することが出来ませんでした。
 しかし、今年3月に米国婦人福祉協会(AWWA)の助成金で電気窯の購入が出来、再開の目処がついたことで7月より準備を始めています。粘土をこねて製作するのですが、やはり笛という楽器なので良い音で鳴る商品を目指し、製作スタッフも試行錯誤を繰り返しながら商品作りに励んでいます。複数回の研修でなんとか商品として販売できる品質まで高まっています。まもなく販売開始です。

「障がい者社会参加支援施設」に関する意見交換会

 沖縄県における「障がい者社会参加支援施設」に関する早期実現について、意見交換会が8月13日にありました。
 障害者基本法における共生社会の理念に基づき、自立と社会経済及び文化活動の参加を促進する観点から、全国ではすでに多くの施設が整備普及されています。一方沖縄での施設整備はこれからというところで、まずは、「障害者社会参加促進事業」障害者社会参加支援施設整備として、主にスポーツ施設における規模や機能等の構想案の説明をうけ、各障がい者、難病団体の意見交流となりました。
 平成25年から「難病」も障害の中に入り、将来的に難病を持つ方の社会参加がより高まることを切に願います。

こころの現場から

「無意識を意識する」

鎌田依里

臨床心理士 鎌田 依里(かまだ えり)

 ひとのこころには自分で意識できる部分と意識できない「無意識」の部分があることはご存知のことと思います。自分で意識できる部分はどのくらいだと思いますか。どのくらいあなたはあなた自身のことを知っていると思いますか?
 …実は、意識できる部分は5%程度で、無意識の部分は95%もあるのです。いかに自分のことがわかっていないか、驚くばかりです。実際にわかった気になって日々の生活を送っていることが認識できるでしょう。そして、自分のことがこれほどわからないのであれば、いかに相手のことをわかることが難しいかが理解できるでしょう。

 では、無意識を知るためにはどのような方法があるのでしょうか。夜に見る夢や描かれた絵には無意識が表現されています。「なんとなく好きだ」と思う物やひとが自分の無意識を反映している可能性もあります。
 また集団のリーダーに選出されるひとは、その集団が求めている無意識を体現できるひとであることが多いです。たとえば、その集団が改革を求めているような状態であれば、改革のできる力のあるリーダーが選出され、その集団が対立を求めているのであれば対立姿勢を好むリーダーが選出され、その集団が「和」を求めるのであれば周囲のひとと調和ができるリーダーが選出されます。
 ひとが意識している部分がとても少ないことを知識として理解していると、相手の話を傾聴する際に「素直に聴く」ことがいかにたいせつか納得できると思います。傾聴している際に自分が感じることが、実は相手から投げ込まれた相手自身の無意識であることがあります。投げ込まれた相手の無意識を上手に意識して聴くとよりよいピアサポートに繋がるでしょう。

つぶやきチャンプルー

「明日、沖縄がブラック・アウトかも!」

照喜名通

著:照喜名通

 今年は全国各地で大雨による浸水や土砂災害、地震に苦しめられています。この9月も台風21号による高潮や停電は西日本を中心に広域に及び、その復旧が急がれます。
 一方、北海道で発生した大地震では震度階級で最も高い震度7で、北海道全域停電という想像を絶する災害となりました。ニュース映像で知る限りですが、その凄まじい光景には言葉もありません。
 印象に残ったのは、停電によりスマホなどへの充電が出来ず、多くの方が安否確認の電話や情報が取れずに困っている姿でした。もちろん停電のためテレビも見られず情報の入手方法がスマホ頼みだから困っているのです。
 そこで注目されたのがラジオです。最近はローカルのFM局もあり、情報入手の手段として絶対に必要だと確信しました。我が家にも通常のラジオ1台、非常用に1台ありますが、乾電池式なので電池が切れても手回し充電で使え、照明付きのラジオを即注文しました。当然、ラジオは一方的に情報を受け取るのみなので、情報発信の手段としては、より身近にありラインやツイッターなどが出来る、スマホや電話はやはり必要になります。
 この教訓を知って貴方はどう行動しますか?その方法をアンビシャスでは相談に応じていますので、共に考え備えていきましょう。

シリーズ 「患者学」第42回

医療の歴史から新しい時代の医療を俯瞰する その4

慶応義塾大学看護医療学部 教授 加藤 眞三著

日本でおきている社会の大きな変化

 今年になり、2月に女子レスリング、5月にアメリカン・フットボール、7月にボクシング、そして、8月には女子体操とスポーツ界でのパワハラ問題があいついで大きく報道されました。2年後に東京オリンピックを開催という時期で話題になった面もありますが、2013年には女子柔道で、また何度も大相撲でのパワハラ問題が採りあげられてきたように、パワハラ行為が問題にされる時代になったと言うべきでしょう。格闘技に限らず、体操をはじめ野球や水泳などでも暴力的指導が問題とされてきており、スポーツ界での教育や指導の全体でパワハラが問題になってきています。
 わが国では、スポーツの指導者が怒り・威し・暴力をふるまうことにより選手を育成することを当たり前とする時代が続いてきました。そのため、たとえパワハラがあっても、選手を強く育てるためであればと是認され、社会的に問題となることは少なかったのです。指導者もそのような方法で自分が指導されてきたため、そのことを当たり前ととらえていました。指導者の強力な権力構造の下、選手は泣き寝入りし、たとえ告発しても社会は問題として採りあげなかったのです。事実、1991年の体操の全日本選手権では採点法をめぐり過半数の選手が抗議し試合をボイコットしましたが、マスコミは当時の強化部長塚原千恵子氏を支持し、むしろ選手やコーチの側をバッシングしていたのです。

なぜ、今パワハラが問題なのか

 今年になって急に連盟の理事長、監督、コーチなどがバッシングを受けるようになったことは、二つの側面があると考えられます。一つは社会全体がこのような怒りや威し暴力による教育や指導を容認しなくなってきていることです。もう一つは、選手の側の意識が変化してきていることです。若者は、かつてのようにスパルタ教育の下で育てられていないため、パワハラによる指導に対して反発したり、萎縮することになります。結果として、競技でもよい成績につながりません。
 スポーツでは、本人に有無を言わさずやらせる指導が過去において効果を上げてきたため、周りの人もそれを咎めることが少なかったのです。パワハラでも、よい結果を出せば許されてきましたが、よい結果がでなくなれば許されなくなります。
 一方で、社会は暴力による指導に対して、厳しい目を向けることになってきました。暴力や威しによる指導法は、鞭でたたき、痛さを思い知らせるという動物への調教のような行為であり、人間である選手に対するコーチングではありません。
 競技者も観客も双方がスポーツを楽しむには、人間が人間らしく練習し、その成果を競ってこそ達成できるのではないでしょうか。動物の調教法で成立するスポーツは、人間文化としてのスポーツにはなりえません。スポーツにおいても、それぞれの人が、その人の自律的な努力と工夫により個性を活かすことでよい結果をだせるという競技こそが、人間として楽しむべき文化です。
 古代ローマで奴隷を猛獣と闘わせて、貴族がそれを楽しむような時代はもう終わりをつげ、人として練習し成果を試せるスポーツを楽しむべき時代を迎えたのです。実は、このような変化が社会全体に起きているのが現在なのです。

次号に続く


東洋経済オンラインに加藤先生による「市民のための患者学」2週間ごとの連載スタート!
http://toyokeizai.net/articles/-/143366

慶応義塾大学看護医療学部
教授 加藤 眞三
1980年、慶應義塾大学医学部卒業。1985年、同大学大学院医学研究科修了、医学博士。
1985~88年、米国ニューヨーク市立大学マウントサイナイ医学部研究員。
その後、都立広尾病院内科医長、慶應義塾大学医学部内科専任講師(消化器内科)を経て、現在、慶應義塾大学看護医療学部教授(慢性病態学、終末期病態学担当)。

患者の力: 患者学で見つけた医療の新しい姿
出版社: 春秋社

「患者には力がある!」 毎日を健康に生きるために、そのためにも、真の患者中心の医療を実現するために、いま必要なこととは。

アンビシャス広場

~エッセイ~ 「からだの変化」 浦崎 綾乃さん(ALS)

自分では身動きひとつ取れなくなり、
寝たきりになる事が多くなった
ある時から、私に変化がおこった。
それは病院に入院している
時のことです

動かない身体の代わりに
聴覚が進化しました。
物音に敏感になり人の声を
聞き分ける事はもちろん、
足音で誰かも分かるようになりました。

それは実に面白い事でした、
動くことはできずとも
病室の外での出来事を
感じ取ることができるのだから。

人体は何か機能を一つ失うと、
他の残された器官の機能が
研ぎ澄まされ補おうとすることを
身をもって経験したのです。
人の体って不思議で面白いと感じた、
からだの変化でした。

難病川柳・難病短歌

難病がある方や家族の方、サポートする方々で日常感じている悲しみ、辛さ、笑い、皮肉や優しさなどを短歌・川柳にしてご応募ください。
採用の方には寄稿料として千円相当のクオカードを進呈します。詳細は事務局までお気軽にお問い合せください。

難病短歌
ついついと 投薬さぼり 悪化して 初診にかえり やり治す
作:永遠の若葉マークさん(クローン病)

体調の良さに油断し、また初めからやり直し。 初診料もまた初めから・・・。

転んだら 起き上がるのも ひと苦労 お前はいいな 起き上がり小法師
作:樹々さん(パーキンソン病)

筋力不足?それとも病気の進行のせい? どちらもありか・・・。

お勧め映画情報

ミュージカル映画2選。

「踊るアイラブユー♪」

姉妹の恋愛模様の作品ですが、使われている楽曲が良い。 マドンナ、ホイットニー・ヒューストン、シンディ・ローパーといった大物アーティストによる80年代のヒット曲のオンパレードです♪

「アクロス・ザ・ユニバース」

ビートルズの楽曲33曲を使用した作品。 ベトナム戦争の影響が残る60年代を舞台にした、若者の恋愛や友情の、青春ストーリー作品。

両作共、ミュージカル苦手な方でも、楽しめて見やすいと思います。

★渡久地 優子{進行性骨化性線維異形成症(FOP)}★
・・・カラーセラピーやパワーストーンも好きで、時々、ネットで見てます。

今月の占い

  • 牡羊座 3/21-4/19
    笑顔で周りにも元気を
    ☆リフレッシュ法:歌唱
  • 牡牛座 4/20-5/20
    感謝の気持ちを持つ事から
    ☆リフレッシュ法:食事
  • 双子座 5/21-6/21
    柔軟性を持って穏やかに
    ☆リフレッシュ法:談笑
  • 蟹座 6/22-7/22
    気付く事は思いやりと優しさ
    ☆リフレッシュ法:掃除
  • 獅子座 7/23-8/22
    今在る事は当たり前では無い
    ☆リフレッシュ法:映画
  • 乙女座 8/23-9/22
    思考はプラスへと切り替え
    ☆リフレッシュ法:音楽
  • 天秤座 9/23-10/23
    振り回されない心を持って
    ☆リフレッシュ法:買物
  • 蠍座 10/24-11/21
    依存や執着は捨て軽やかに
    ☆リフレッシュ法:深呼吸
  • 射手座 11/22-12/21
    良い物事にだけ焦点を
    ☆リフレッシュ法:運動
  • 山羊座 12/22-1/19
    実のある話を心がけて
    ☆リフレッシュ法:瞑想
  • 水瓶座 1/20-2/18
    体と心が喜ぶものを
    ☆リフレッシュ法:散歩
  • 魚座 2/19-3/20
    自分自身を大事に扱って
    ☆リフレッシュ法:読書

各患者団体からのおたより

沖縄クローン病・潰瘍性大腸炎友の会(沖縄IBD)より
調理実習のご案内


 今年も沖縄IBDの調理実習を、11月11日(日)午前11時から那覇市保健所3階の調理室で行います。
 県内の総合病院勤務の栄養士さんが毎年ボランティアで参加され、クローン病・潰瘍性大腸炎の患者さんとその家族の方々にお腹に負担の少ないメニューの調理指導をしていただいています。
 特にクローン病の患者さんは食事制限が厳しく、何を食べていいのか分からないと言う声を聞きます。そのような方にとり、負担が少なく、かつ美味しい料理が食べられる事はとても重要です。沖縄IBDでは、毎年この時期に調理実習を行っており、会食後には栄養士さんを交えて料理の感想や、現在の症状などの意見交換も行います。メニューなどの詳細はまだ決まっていませんが、決まり次第ホームページ、新聞に掲載しますのでお気軽に参加ください。きっと満足のいく料理が食べられますよ。
 また年末12月16日(日)には「カラオケとまと一日橋店」で沖縄IBDの忘年会を午後2時から午後5時まで行います。カラオケやゲームの他、沖縄県のマジックのパイオニア、春風トシローさんをゲストに迎えマジック、腹話術で盛り上げます。家族、友人を誘ってお気軽に参加ください。

調理実習、忘年会とも参加申し込み、 詳細問合せは 090ー8413ー2621(宮本)迄

編集後記

 今年の夏は連日の異常な猛暑に、集中豪雨、土砂災害、頻発する台風に大地震と自然の猛威にさらされ続けたこの数か月でした。各地で甚大な被害がもたらされ、被害にあわれた皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、これ以上災害が起きないことを切に願っています。
 さて今月の「表紙は語る」は酒井さんにその体験を語って頂きました。
 ALSを発症してから10数年、当初は徐々に失われていく身体の機能を前にふさぎ込む日々だったが、口文字を使ったコミュニケーションの方法や、苦手だったパソコンを覚えることで、情報収集やコミュニケーション・ツールとして使いこなし全国各地を飛び回るアクティブな日常を紹介して頂きました。表紙の写真は沖縄での一コマだそうです。
 また今月のエッセーの浦崎さんによると、身体が動かなくなってから聴覚が研ぎ澄まされてきたとのお話もありました。
 お二方に共通するのは、確かに失ったものは大きいのですが、その中から得たものもあり、それを大事にされていると感じました。

文 仲村明